影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか #塚本本棚
「文明の進歩によって、僕らは考えなくても様々なことが出来るようになってしまった」その結果、僕らは動かされ、欺かれ、操られやすくなってしまったのではないでしょうか?
今日は「影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか( https://amzn.to/2YQ8G0d )」ロバート・B・チャルディーニ (著), 社会行動研究会 (翻訳) #塚本本棚
言わずと知れた名著です。思考を放棄しても生きられる社会で、自らの足で一歩抜きんでるには本書は示唆に富んでいます。
人に欺かれることが嫌いで、このタイプの本は年数冊は読んでいます。人間は忘れやすい生き物ですから。
あなたは、あなたの反応を”コントロール”できているでしょうか?本書は様々な実験や事例、生物界での様子を豊富に交えながら、我々が如何に欺かれているかを紐解いてくれます。
私たちの決断や行動の根拠というものは、本来とても脆いものなのかもしれません。知覚し、鍛え、防衛しなければ。
【本を読んで考えた】
・人を動かすもの(人を操りやすいもの)・・・返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性
・お願いに理由を添えると、頼みごとが成功しやすくなる
・価格が吊り上げられても何故購買衝動は起こるのか?
→価値がわからない人ほど、”価格が上がるのだからよいものに違いない”と反応してしまうから(情弱相手の情報商材などによくある)ー価格という【権威】に欺かれたー
・上記は”安物買いの銭失い”の経験をしている人ほど騙される
【返報性】
・返報性の脅威を知っている人ほど、不特定多数の人から祝われたり、施されたりするのを拒む一方で、できるだけ人を祝い、施す
・人の多くは自らが、”たかりや”、”恩知らず”、”借金を踏み倒した”など言われたくないもの
【一貫性】
・人は何かを区別した時に、多角的な判断を曇らせる”〇〇差別”や戦争やジェノサイドなど
・ナチスやジェノサイドなどの一貫性を発揮している人に客観論を用いて批判しても、聞き入れられないか殺されてしまうだけ(合理性は放棄される)
・問診表やチェックシートなどは一貫性の力を引き上げる
・その人のようにふるまっていれば、その人のようになっていく
・目標を書けば、それを達成するようにふるまう
・人は一貫性のない人を嫌うから、社会の中で一貫性の力はさらに強固になる
・儀礼や儀式は一貫性の力をよく利用したものと言える(自発的な一貫性は強制されたものより強力になる)
・50歳を超えてくると、更に一貫性へ縛られる傾向が高まる(昔の習慣を止められず、新しいものへスイッチしない)
【社会的証明】
・人は体勢に流されやすい。コミュニティが歪んでいたとしても、人はその大勢=社会的証明に流されやすくなる(サクラ、ステマ、見せ金、予言)
・コピーキャットが増えるのも、社会的証明の業。なので最近は銃乱射などの凶悪犯罪については報道の在り方も変わってきているようだ(類似の事件が起こるので)
・コロナ禍でトイレットペーパーが無くなったのも、社会的証明の業。人は人がやっていること(特に自分に類似する人)に納得し模倣したがる
・人は不確かな状況に置かれた時ほど、周りを参考にし始める
【好意】
・なぜ賢人は少なくとも敵を作らないのか(好意の力を知っている)
・詐欺師は好意を獲得しやすい下記のものをうまく使って偽装する
→外見の魅力(清潔感や高いスーツ、セレブな生活)
→類似性(私も昔は人生に絶望していた)
→お世辞(親しげに接する、承認する、好意を装う)
→接触と協同(接触回数を増やす、同じ食事をする、お金持ちになるという同じ目的を持つ)
・上記いくつかはポジティブな方向ではファンビジネスなどで活用される
【権威】
・人はそれが”ただの役割”として与えられた偽りの権威だとしても、その権威にかしずく(ミルグラムの実験)
・権威にかしずくように、僕らは宗教や寓話に至るまで、様々な手立てで教育されてきた
【希少性】
・手に入りにくくなると、その価値がより貴重に思える
・絵画などが値下がりしないのはその希少性か
・旅行時になぜ我々は使いすぎるのか
・今しかないという儲け話に、人は容易に騙される
・今決めなければ次はないと言われると、今決めてしまう
・取り上げたり禁じられると、欲しくなる
・秘すれば華
・失ったときに、その価値を知る
・障壁があるほど、乗り越えようとする
・自由をしばらく与えるくらいなら、全く与えない方が良い
・ひとたび認められた自由は、戦い無くして手放されることはない
・複数の人が同時に欲しがるものにも、人は希少性を見出す
・2つの選択肢があり、一方のリスクが異様に高い場合にも、起業家の中にはそのリスクの方を選択しがちな人がいるが、その人たちはそのリスクを取る人があまりいないという希少性に動かされているのか
このような影響力の武器は、多くの人が往々にして使っているものだが、大切なのはそれが見抜けること、そしてその武器が邪悪なる思考のもとにあるのか、そうでないかを理解して反応できるかどうかだと思う。
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