ニュースウオッチ9⑤辻褄合わせ
※④「印象操作」からの続き/
「コロナ関連不適切報道」の最大の問題点は、ワクチン接種死をウイルス感染死にすり替えたことです。それにしても、「コロナ」という枠を外してみると、二つの違いがよりいっそう際立ちますね。
NHKは「不適切報道」の主な原因を、担当職員とその上司が「ワクチン接種死とウイルス感染死を、コロナ禍の名のもとにひとくくりにしてしまった」ことに求めようとしています。NHKによる報告書「ニュースウォッチ9報道について」には、これに該当する記述が7か所もありました。
報告書のp.3では、提案票(企画書)と絵コンテの記載のズレを取り上げて、担当職員らの「認識の欠如」を証明しようとしています。
「明確に区別していなかったことがわかります」って言われても……私にはよくわからないな。この説明でみなさん納得できますか?
確かに、二つの書類に書かれていることは食い違ってますけどね。
だからといってこの担当職員が、ワクチン被害者遺族の会に「取材を申し込んだあとも」、ワクチン接種死とウイルス感染死を「みずからの認識のなかで」「明確に区別していなかった」ことにはならないです。論理が飛躍してますね。
「認識」がどうであったかを証明することは難しい。頭の中で起こることですから、本人にしか本当のところはわからない。たいていの場合は推測するしかないんです。
だから、さっきの報告書のくだりで、二つの書類の記述が矛盾していたとしても、それを書いた当人がどのような「認識」でいたかという主観的な事柄を客観的に証明することができない以上、その矛盾した記述に確たる証拠能力なんかないんです。NHKの人たちはそんなことは承知の上で、それでもどうにか理屈をつけようと必死なんだよね。
実のところ、NHKの人たちがやっていることは、徹頭徹尾、辻褄合わせなんですよ。
何に合わせているかというと、彼らが最初に設定したシナリオにです。
ワクチンの問題を番組で取り上げるつもりなど、はなからなかったんでしょうね。今までNHKはじめマスコミが避けてきたテーマだし、わざわざ地雷を踏みには行かないですよ。
かりにこの担当職員が気骨のある人間だとしても、報告書にあるように、コロナ関連の取材経験はおろか、取材そのものの経験が浅いのだから、「ワクチン問題をやりたい」と主張してもその意見が通るとは思えません。
①番組VTRで、ワクチン死遺族がウイルス死遺族であるかのように見える演出をする。すり替えによる捏造です。
➁抗議される。
③ワクチン死とウイルス死はコロナ禍という点では同じ、という「認識」を関係者がもっていたと主張。拡大解釈して責任逃れを図ります。
④そのズレた認識を裏付けるため、提案票と絵コンテという内部向けの資料にある矛盾を提示。こういうのは後からいくらでも改ざんできるから、有力な証拠とは言い難い。
①の噓(捏造)がバレて➁になってしまい、それを解消するために③の噓をでっち上げ、③を裏付けるために④の噓をでっち上げるという……。嘘が嘘を、ごまかしがごまかしを呼ぶ。捏造の連鎖です。
こういうことって、よくありますよね。一つ嘘をつくと、それを取り繕うために別の嘘をつく。それがバレそうになるとまた別の嘘をつく……というように、最初についた嘘を貫き通すためには、いくつもの嘘をつかなければならない。
でも、そうやって苦労して取り繕っても、どこかで絶対にぼろが出るのです。NHKは報告書でたくさんのぼろを出しています。それらをもう少し追っかけてみようと思います。いましばらくお付き合いください。
【追記】12/20にNHKの定例記者会見がありました。
「今回の件はコロナウイルス、ワクチンといったものの基本的なことについての知識が欠けていたということは間違いない」と理事がコメントしたらしい。
この3年ほど、コロナウイルスとワクチンは全世界的な問題であり、誰一人として無関心ではいられなかったはず。報道機関の人間であればなおのこと、「基本的な知識」が欠けたまま報道の現場で働くことなどできはしない。
会見では「間違いない」とまで言い切ってますけど、一度ついた嘘は撤回できないんでしょうね。すり替えが確信犯だったことを認める気はない、ということです。
※⑥「騙し討ち」へ続く
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