はむた@捏造報道と闘う会
表現の自由と編集権、報道による人権侵害、番組制作のプロセスに潜む危うさ、BPOなど、メディア関連の記事をまとめています。
ファクトチェック、フェイクニュース、偽・誤情報対策と銘打ったSNS規制など。表現の自由は守られるのか?総務省の有識者会議を傍聴したり、ファクトチェック業界の動向を追いかけたりしています。
NHKクローズアップ現代の取材を受け、捏造報道をされてから、同番組での謝罪放送に至るまでの過程を記録。交渉の内幕も包み隠さず書いています。登場する人物と組織は実在します。
コロナ関連報道でBPO案件化したニュースウオッチ9。捏造の手口や報告書に隠された嘘を、NHK報告書やBPO意見書など公式資料を参照し、クロ現ひきこもり捏造報道ほか過去事例と照らし合わせながら暴きます。全14話+αです
NHKの取材を受けて捏造報道された顛末をまとめました。普通の主婦がうっかり体験してしまった、大手メディアの闇について書いてます。全9話のダイジェスト版です。さらに詳細を知りたい方は、本編「NHKクロ現捏造報道の真相」をぜひお読みください。
報道被害のあらましは以前に書いた通りです。 訂正・謝罪放送が2023年9月6日にありました。 クローズアップ現代の放送最後の部分です。公式サイトにも謝罪文が掲載されました。※2023年11月現在、謝罪文は削除されています。 各所でニュースになってますね みなさんお察しの通り、「確認不足で事実と異なる報道をした」とはすなわち捏造と歪曲ということです。 主な2点(掃除を1日6時間/働きたくても一歩が踏み出せない)の他にも、虚偽・捏造は多数あります。出演VTRの全体にわた
むかし勤めていた職場の同僚に、毎朝その日のニュースを教えてくれる人がいた。10年以上も前のことだ。当時からうちにはテレビが無く、新聞の購読もやめていたので、ニュースに触れる機会がほとんどなかった。慣れてしまえばとくに不自由は感じないが、そんな私を同僚は哀れと思ったのかもしれない。 そこで働いていたのは比較的若い層で、新聞やテレビを見ない人間は珍しくなかった。ネットのまとめサイトがあれば十分だと言う人もいた。私はそれすら見なかったけれど。 近年では全世界的に、ニュース回避の
古参のファクトチェッカー/ファクトチェック団体は「ファクトチェックはジャーナリズムである」という見解を掲げて活動しているが、たしかにその通りだと思う。検証対象を選ぶという行為は、議題設定(アジェンダ・セッティング)に他ならないからだ。 真偽不明の情報は、ネットにもリアルにも数限りなく存在する(真偽が明らかなものの方が珍しいくらいだ)。その中から特定の情報を選んで「検証対象」とすることは、それを問題視して世に問う行為でもある。選ぶ側の意図や価値観や問題意識といった主観的要素が
今年9月にMeta社との提携を公表したファクトチェック団体「リトマス」の編集長・大谷友也氏が、NHKのラジオ番組「みんなでファクトチェック」に出演していた(11月8日放送)。プラットフォーム事業者とファクトチェック団体の連携の実態、偽情報の現状や今後の課題、政府が偽・誤情報対策に関与することへの懸念などについて語っている。 Meta社との連携日本のファクトチェック団体としてMetaと提携するのはリトマスが初めてだが、この「第三者ファクトチェックプログラム」は2016年に開始
寄り添う、という言い回しをこの頃よく目にするが、安易に使われすぎて陳腐化している。他者への理解や尊重を抜きにして、インスタントな共感や同情を押し付け、自己満足するようなニュアンスがある。 報道と支援は別もの11月3日の産経新聞のコラムにも、そのような甘ったるい偽善を感じた。内容があまりに稚拙で、PV稼ぎの炎上狙いかと思ったほどだ。 このコラムには、能登半島の豪雨取材で帰れなくなったテレビ局のクルーが、現地の住民の自宅に泊めてもらったエピソードが出てくる。その夜クルーは取材
日本ファクトチェックセンターが「デジタルアーカイブ学会賞」を授賞したそうです。 JFCに賞を与えた同学会の理事には、JFCの副編集長と総務省の有識者の構成員が入っている。 ■宮本聖二理事 ←JFC副編集長 ■生貝直人理事 ←総務省「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」構成員 賞を与える側と受け取る側に同じ人がいる。こういう人脈が受賞に寄与している可能性は、大いにありますね。 JFCはもともと政府機関との距離が近い(運営メンバーに総務省の有識
NHKの不祥事は今さら珍しくもないですが、ここ最近は次元が違います。例えば8月にはこんなことがありました。☟ ラジオ国際放送を生放送中に、原稿にはない発言があった件です。NHK会長はじめ、幹部が処分される事態に発展しました。 つい先日も、料理番組の生放送中に、出演者が自著の宣伝を始めるというアクシデントが発生。☟ 公共放送のあり方そのものに反する出来事なのに、笑い話で済まされているのが不思議でなりません。 これらの問題は規模こそ違いますが、地続きだと感じます。 そし
澤康臣 著「事実はどこにあるのか~民主主義を運営するためのニュースの見方」(幻冬舎, 2023)を読んでみました。”市民のために働くメディア” の視点が貫かれている良書です。 報道する側の立場や考え方を知ることができたのは収穫でした。 報道されることは取材対象者にとって、必ずしも利益にならない。不利益になる場合すらある。取材される側の「報道してほしくない内容」も公益のためなら伝えるべき、という立場を著者はとっています。そうでなければ、報道ではなく「広報」「広告」になってし
総務省の有識者会議「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」が9月に突如として解散。仕切り直しのような形で、10月10日に「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会」がスタートします。 第一回の会合が開催される前に、ちょっと予習をしておこうと思う。新旧の検討会を比較しつつ、今までの振り返りをしてみます。 突然の解散と再開人数:18人→9人に半減。旧検討会から引き続き参加するのは、9人中6人です(ワーキンググループも含めると7人にな
NHKの報道には、前回のnoteで指摘した以外にもあやふやな点があります。 犬が8日に脱走して17日に戻ってくるまでに、よその家の庭に入り込んだことがあり、そのとき近づいた人にケガを負わせています。以下はNHK茨城NEWS WEBの記事です。↓ 「犬の歯が当たって」という表現をしていますが、歯が当たっただけでは「かすり傷を負った」りはしないでしょう。それは「咬まれた」というのでは? 同じような表現を使っているメディアは、NHK以外にもありました。毎日新聞のウェブ記事から
飼われている動物が逃げ出すのはよくあることですが、大型犬の場合はシャレになりません。 つい最近、「アメリカン・ピットブルテリア」という、闘犬にも使われる犬種の脱走がニュースになりました。茨城県小美玉市で飼われていた犬が9月8日に行方不明になり、 17日に自宅に戻ってきたそうです。大事に至らなかったのは何よりでした。 問題なのは、この件を報じたNHKのニュースに誤りが含まれていたこと。誤報というよりも虚報ではないか? とすら思いました。あやふやだったり辻褄が合わなかったりす
先月発生した国際放送の事案について、NHKは当初「不適切な発言」としていましたが、「放送の乗っ取り」であることを正式に認めました。 9 月10日に公表された調査報告書には、例によって「にわかに信じがたい言い訳」が書かれています。 https://www.nhk.or.jp/info/otherpress/pdf/2024/20240910_1.pdf 特に気になったのは以下の箇所です。 まがりなりにも放送のプロが二人いるのに、「突然のことで対応できなかった」だなんて、あり
去年の9月6日、NHKに番組内で訂正・謝罪をされたときに、私が感じたのは、「アナウンサーが頭を下げて終わりなのか……なぜ番組責任者が出てこないのか」ということでした。アナウンサーに謝られても仕方がないんですよ。ただの身代わりですからね。責任を取るべき人間は、陰に隠れて出てこない。テレビ局の不祥事あるあるです。 私の取材を担当したディレクター、その上司であるプロデューサー、番組責任者……誰ひとり「お詫び」映像には出てきませんでした。そういう発想が彼らにはないのです。かといって
NHKの公式発表を中心に、報道記事も入れて時系列でまとめました。 8月19日(月)事件当日▼13時01分-13時15分 ラジオの中国語ニュースで”不適切発言” NHKの短波ラジオ、衛星ラジオの国際放送、ラジオ第2放送の中国語ニュース番組で、中国籍のスタッフが原稿にない内容を読み上げました。「靖国神社で落書き」のニュースの後で、「尖閣諸島は中国の領土である」という内容の発言をしたとのこと。 中国語のニュース原稿はNHK World Japanのサイトに掲載されていて、末
NHKのラジオ国際放送の中国語ニュース番組で、アナウンサーがニュースと無関係な発言をしたことが波紋を呼んでいます。問題発生当日の8/19からNHK会長のコメントが出た翌日の8/23まで、テレビ、新聞の記事をリストにしました。 テレビNHK 2024年8月19日 21時51分 NHK ラジオ国際放送などで不適切発言 尖閣諸島などで https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240819/k10014553331000.html TBS 202
ファクトチェックが「偽・誤情報対策」でどこまで効果を発揮できるのか?という点はともかく、権力監視の機能を果たす可能性には、私は一縷の望みをかけています。 ファクトチェック団体・業界が市民の側につくか、権力側につくかで、社会のありようが変わってくるはず。民主主義の行く末を左右すると言っても、過言ではありません。 パターンⒶ「権力監視」の役割を担い、市民の側に立つ 言説の検証を通じて、国や行政やマスコミが隠しておきたい ”不都合な真実” を暴くことになるかもしれない。それら