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読書の記録 池波正太郎『剣客商売〜十番斬り〜』

 先日、リビングに僕の部屋の本棚にあるはずの『アルジャーノンに花束を』が置いてあったのでなんでだろうと思っていたら長男が読んでいるとのことで、僕が読書はいいぞと何度言っても読まない男がどうしてまた急に『アルジャーノンに花束を』など読み始めたのかと思ったら、ヨルシカの「アルジャーノン」という曲を聴いて興味を持ったらしいのです。僕もまだ買っただけで読んでなかった本を先に読まれると思ってなかった。

 そして『アルジャーノンに花束を』を買ってた僕、我ながらナイス。子がいくら興味を持ってもその対象が近くになければどうにもなりません。いつ何がきっかけで何に興味を持つかわかりませんから、その興味の扉を自宅内にできる限り広範囲に用意しておきたいと思った次第です。

 しばらく遠ざかっていた『剣客商売』に僕がどうしてもう一度戻ってきたかといえば、少し前に読んだ岸田今日子と冨士眞奈美と吉行和子の旅行記の中で、冨士眞奈美が『剣客商売』を読んでいたからでして、はからずも、僕もそうやって僕の本棚から興味の扉を開いたわけです。読書というのは、常に興味の扉を開いているようなものなのです。新聞もしかり。

 そんなわけで久々に読んだ『剣客商売』はシリーズ第12弾。こんな長いシリーズものを読むのは北方謙三の『三国志』と『水滸伝』以来です。東京の地理にもう少し明るければもっと面白く読めるのかもなーとは思うのですが、冨士眞奈美が旅の途中に読んでいたように、この物語はあんまり深く考えず、秋山小兵衛、秋山大治郎の剣客親子の活躍に気持ちよくなりながら読めばいいような気もするんです。肩肘はらずに酒をちびちび飲みながら剣客の仕業に唸り、ますます酒が美味くなり、やがて酔っ払って途中で寝る、という読み方をしても別に池波正太郎に対して失礼ではないと思うんだな。そういう読み方をしたから内容あんまり覚えてないけど面白かったです。

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