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6月24日の日経俳壇歌壇チェック

6月24日 日経俳壇
●いま翔びし宙にさざ波青揚羽

宇宙の「宙」の字があるからでしょうか。深淵かつ広大な世界を感じます。そこから翔び立たんとする青揚羽には、無限の可能性がある。

6月24日 日経歌壇
●前に乗る児も兜着け葉桜を父は漕ぎ行く保育園へと

実際にお父ちゃんの身になってみたら、こんな颯爽としていないんですけどね。当人と他人は違うものなのです。

●それぞれの人のこころにひとひらの花びら散らす桜の古木

そう、人それぞれ違うんです。あなたの見た花びらと私の見た花びらは、例え同じ花びらを見たとしても違うんです。あなたの見た花びらと一緒にしないでくださいって言いたくなるとき、ありますよね。

●話してる言葉が文字とつながらない 水底にいる、皆そこにいる

選者の三枝昂之さんは「認知症の懸念か」と書いていますが、認知症でなくとも言葉が文字とつながらないことってありますよね。そのズレがたまらなくストレスであるときと、それはそれで心地いいときと。

●急停車吊り革探し空切る手踏み止まれぬ時間よ止まれ

最近こういうことが増えました。時間は止まってくれないから、こっちが止まれるよう努めるしかない。

●あちこちでパワーバランス崩れてるミックスナッツの種類比率も

一度崩れると戻せないんですよね。一度崩れるとそれに慣れてしまい、慣れた頃にまた崩される。その繰り返し。

●塀に球投げては一人実況し我打ち取った王、長嶋を

これは少年だった頃を回想しているんだろうとは思うんですが、七十歳近いおじいちゃんが若かりし頃のスターだった王、長嶋を仮想敵に見立てて壁当てしているのを想像すると微笑ましくなります。三番が王、四番が長嶋で五番は大谷かもしれません。投手大谷、捕手野村、一塁王、二塁落合、三塁長嶋、遊撃松井稼頭央、左翼松井秀喜、中堅福本、右翼イチロー。こんな壁当てなら死ぬまでやれる。

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