令和6年読書の記録 東野圭吾『眠りの森』
名門バレエ団で男が殺された。被疑者は居合わせたバレリーナ。正当防衛を主張するが、その証拠は見つからない。事件が混迷をきわめる中、『眠りの森の美女』を模した殺人事件が起こる。捜査にあたる加賀恭一郎は、被疑者の親友のダンサーと出会う。気丈に稽古に励む彼女に惹かれながらも、辛い決断の時が迫る。
↑文庫版巻末解説より
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旅のお供は東野圭吾がちょうどいいです。なんせ間違いなく面白い。読者がぐっと力を入れなくてもよいから疲れません。私は読書が好きではありますが決して得意ではないので本来、こういう読書のほうが楽なんです。旅という非日常はそれだけで知らずうちに自らに負荷をかけているものですから、その状態からさらに負荷はなるべくかけたくないのです。
私は謎解きの類は自分で解くというつもりがはなから無く、とにかく早く真相を知りたいだけなので割と細部を読み飛ばしてしまいがちなのですが、読み飛ばしてしまったところに大切なヒントが隠されていたりするため、後々の謎解きの場面にいたり、「あれ?そんなこと言ってたっけ?」となることがよくあるので、ちゃんと注意して読まないといけないのですが、そうすると遅々として物語が進まないので、早く真相を知りたいから結局、テキトーに読みすすめてしまうのですが、そうすると謎解きの際にちゃんと読んでいないがゆえに理解の追いつかないことがあり・・・というのを繰り返している私はたぶんミステリー小説を読むのに向いていないんですが、そんな私でも楽しめてしまうのが東野圭吾作品の魅力です。同時に次の展開が気になりすぎるからテキトーに読み進めてしまうのは東野圭吾作品のよくないところであり、いっぽうでそうやってテキトーに読み進めてしまってもなんとなく雰囲気で理解しつつ読み進めていけてしまうのも東野圭吾作品なのです。
私みたいな横着な読者も楽しめるし、張り巡らされた伏線を綿密にチェックするいやらしい読者を唸らせもするのが東野圭吾さんなんでしょうね。
バレエは一日稽古をサボると体がついていかなくなり、元通りのコンディションに戻すのにものすごく時間がかかるから何があっても絶対に稽古は休みたくないのがバレエをする人たちの性質なんだそうです。そういうところ、毎日絶対何かしら文章を書いてる私も性質としては似たようなところがあります。文章もたぶん、一日書かないと鈍ってしまうものだと思う。無理やりにでもとにかく書くということをしないと書けなくなるにちがいない。
実際、「書けなくなっている人」はいますからね。そうならないように、なんでもいいからとにかく書くということを続けたいと思います。全然『眠りの森』の感想とちがうやないか!と思われてもいい。書くことそのものに意味があるのだ。
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