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最強の営業戦略―企業成長をドライブするマーケティング【ビジネス書レビュー・感想】
この記事は6分で読めます。📚 2025/1更新
※プロモーションを含みます。※
今回の記事は書籍紹介です。
今年はまだまだ余裕があるので今のうちに記事を記載です。
本日は最近拝読した「最強の営業戦略―企業成長をドライブするマーケティング」です。
個人的評価:☆☆☆☆☆
amazonカスタマーレビュー☆×3.9
1.まとめ
営業は企業成長にとって最重要テーマである。しかし、営業に関する課題は昔から多く改善されておらず、その理由の1つは「営業における問題解決スキルや戦略リテラシー不足」と考えている。
※企業人としてのビジネススキルや知識の担い手は増えてきているが、その多くは経営陣や企画・管理部門の人材になる。
営業力強化を目的にATカーニーでのプロジェクトで実践し、有効と検証された手法を課題特定・解決・ポイントとしてフレームワークに落とし込んだ。
<6つのステップ>
①戦略ターゲティングの明確化
②戦略と個別活動とのリンク
③営業の役割定義と活動の標準化
④営業活動の効率化
⑤営業体制の構築
⑥営業活動のPDCA
抜本的な営業力強化をするためには営業部門だけでは改革を進めることは難しいことが多く、経営トップの強い意志で改革を進め、自らで営業体制をモニタリングできる仕組みを構築することが重要である。
2.全体の感想
営業現場での泥臭さや戦術の解説ではなく、タイトルにある通り、営業戦略の描き方~戦略を実践に落としこむためのプロセスをフレームワークで特定・解決する手法を解説しています。
そのため、こちらの書籍は特に営業を企画する立場だけでなく経営層の方々が読んで参考にすべきだと考えています。
私自身、営業企画に近い立場にいるので非常に参考になりましたし、6つのステップによるフレームワークが用意されているので、照らし合わせることでどこが自社のウィークポイントかを炙り出し、解決に挑戦できます。
どの企業BtoB、BtoBtoCでも明日から活用して科学的に問題解決できる営業体制構築の第一歩を踏み出したくなりますね。
3.印象に残る点をいくつか
(1)営業活動を評価するものさし
企業成長のために最重要視すべきは「利益」である。実際の企業では多くの黒字顧客を出しつつも、それを打ち消すほどの赤字顧客(慣行取引先など)を抱えているケースが多い。(図1)
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<所感>
私のいる企業でも利益を重要視する流れはありますが、やはり重要指標は「売上」のままです。せっかく固定費や変動費を明確にして利益を算出できるようにはしていても、数字目標がだいたい売上(20〇〇年までに売上〇兆円)ですからね。ここがまさにトップから明確に発信して意思改革が必要なところだと感じました。
(2)戦略と個別営業活動のリンク不足 「重要」
企業では戦略を打ち出していてもそれを個別営業活動へ落とし込む・翻訳ができていない。マーケティングや営業企画が発信する戦略は、製品別に販促を目的としており、その戦略をいざ営業活動で実践する際は優先順位付けを営業任せしている(そこが難しい点であるのに)。
筆者は戦略とセットで「担当顧客のセグメントを明確にし、そのサブセメント毎でアクション※も指示すること」が必要である。
※競合プレイヤー別のガイドライン、攻略方法の標準化、個別顧客の状況に合わせた訴求製品の定義
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<所感>
書籍ではセグメントと製品ごとに優先度(図2の高~低)を指示するだけでなく、その同じ優先度の中でも「訴求内容・製品の定義(自社としての強み、想定される他社製品とその対抗策)」を定義しており、非常に興味深かったです。
優秀セールスでは顧客の状況に合わせてどの製品をどう訴求すると良いかを組み立てられますが、その組み立てを形式知として新人などでも同様に実践できるようにすることが期待できます。
戦略の発信側はメンテも含めて非常に手間かもしれませんが、ここは疎かにせず実戦したいなと感じるところです。
(3)営業担当者の個別活動のPDCA
フレームワークの最後は重要顧客に対するアカウントプランの作成とそれの定期的なレビューを実施することによりPDCAサイクルを回すこと。
営業間の成功例・失敗例を形式知として容易に入手できる状況を作るうえで、重要なのは形式ではなく、その中身である。
4.まとめ
営業は企業成長にとって最重要テーマである。しかし、営業に関する課題が昔から多く改善されておらず、その理由の1つは「営業における問題解決スキルや戦略リテラシー不足」と考えている。
※企業人としてのビジネススキルや知識の担い手の多くは経営陣や企画・管理部門の人材である。
営業力強化を目的にATカーニーでのプロジェクトで実践し、有効と検証された手法を課題特定・解決の手法とポイントをフレームワークに落とし込んだ。
<6つのステップ>
①戦略ターゲティングの明確化
②戦略と個別活動とのリンク
③営業の役割定義と活動の標準化
④営業活動の効率化
⑤営業体制の構築
⑥営業活動のPDCA
抜本的な営業力強化をするためには営業部門だけでは改革を進めることは難しいことが多く、経営トップの強い意志で改革を進め、自らで営業体制をモニタリングできる仕組みを構築することが重要である。
内容は以上です。
BtoB企業で営業部門にかかわる方は読んでおいて全く損はありませんし、むしろ必読の書籍だと思います。
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以上です。