『大切なのは、私達の仕事に、職場に、再び「人間の意志の力」を取り戻していくこと』 (「ノルマは逆効果」より ⑤)
藤田勝利さんの著書、「ノルマは逆効果」。
この本から、私の心に響いた言葉をご紹介しています。
今回ご紹介する言葉は、最終章(第5章)の「これからの時代に成長する組織と人のカタチ」から、その最後を締めくくる言葉です。
“AI革命よりも、働き方改革よりも大切なのは、私達の仕事に、職場に、再び「人間の意志の力」を取り戻していくことなのです。”(p211)
今まさに大きな変化を遂げているこの時代の中で我々はどう働くのか、そしてどう生きていくのか、それらを考えるためのヒントがこの第5章にはたくさん詰まっています。
これまでの日本で正解だとされてきた生き方、つまり大学を卒業して大手企業に入社し、そして定年まで勤め上げて退職金をもらうという生き方は、もはや数ある選択肢のうちのひとつでしかありません。
本書では、「明らかに起きている重要な変化」として、
● 「フリーエージェント」化の流れ
● 「セルフマネジメント」化の流れ (p177)
の2つが挙げられています。
まさにこれからは、
● 自分自身という資源を活かす
● 上司ではなく、自分で自分をマネジメントする (p179)
このような生き方をする人が、新しい価値生み出し、大きな成果を挙げる時代なのでしょう。
これは、かのドラッカーが予想していた時代。
ドラッカーの著書、『明日を支配するもの』の第6章「自分をマネジメントする」で描かれている世界観です。
大企業という組織は、悲しいかな幾らでも言い訳ができてしまう環境です。
自分の意志をしまい込み、仕事のためと自分の気持ちに蓋をし、そして自分自身に言い訳をして周りに合わせながら生きていく人が多くいます。
しかし私は、そんな生き方ではなく、自分に正直になり、自分なりの生き方をしていきたい。
これは先日参加したTransform Cafeのイベントでも強く感じたことです。
では、自分なりの生き方とは、どんな生き方なのでしょうか。
「ノルマは逆効果」では、ドラッカーの著書『経営者の条件』から、以下の文面が引用されています。
“第一に身につけるべきは習慣は、なされるべきことを考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい。なされるべきことを考えることが成功の秘訣である。” (p169)
「なされるべきこと」とはいったい何なのでしょうか。
“なされるべきこととは、自分が他者から求められ、且つ他社に最も貢献できることです。自分の周囲の環境を、世の中を良くするために、周りの人をもっと幸福にするために、自分にできる貢献が何かということです。(p169)
自分にできる貢献は何か。それは私がこの十数年かけて経験し、そしてそこから感じ、悩み、考え込み、自分に問い続けてきた道のりに、大きなヒントがあるような気がしています。
そして、その道のりで刻み込まれてきた私ならではの資源を使い、自分の意志を取り戻す時が、今まさに訪れているのかなと思います。