掲載されなかった原稿
某テレビ局さんの報告書を読んで。
私はライターとして、「書き上げた原稿を納品してから没った」という経験が何度かあります。それはすべてインタビュー記事でした。
インタビュー取材には「何のためにやるのか」という目的があるので、質問事項等もそれに沿って用意します。この段階でインタビュイー(取材の受け手)と掲載媒体側に意見の相違があった場合は、取材を行う前に企画自体が没るので、私たちライターの出番はなく終わります。
いっぽうで、インタビューの後で初稿が上がり、校正が済み、媒体側としては納得のいく状態になった段階でインタビュイーに確認を依頼すると、インタビュイー側に不満が出てくることもあります。
この段階で不満が出る場合、「およそ交渉の余地がない」ほどの齟齬が表面化するというより、「ここをもう少しこうしてくれれば納得できるけど、この点だけがどうしても気になる」という形のご不満が多いように思います。
媒体側が柔軟に対応できれば、掲載にいたることもあります。
いっぽうで、媒体側が「掲載するのはうちだからね! 報酬払うのはうちだからね! うちの好きにさせてもらう!」という方向に進んでしまうと、こじれますね。
もちろん、ライターの私のまとめ方がおかしかったり、インタビュイーの一番の不満が私であったり、というケースもあるのかもしれません。その場合は、初稿が上がるまでに、何かのもめごとが起きるので、「書いた後で没る」という流れには、ほぼならないでしょう。
もし、私と媒体という二社間の取引だったら、もっと早くスムーズに齟齬を修正できたり、あるいは物別れに終わったりと、結論が出るのも早いのです。関わる人数が多くなればなるほど、
・情報が行き届かない
・何か不満があったとき、誰に伝えていいかわからない
・誰かがひどく我慢していることが、なあなあになってしまう
ということが起こり、最後の最後にがーんと爆発する傾向があるのかもしれませんね。
私たちライターの仕事は「情報の伝達」なので、独創性のある作品を生み出す先生方とはかなり立場が違います。それでも、同じものを見て同じ時間を共有したはずの人間同士に、行き違いが起こることがあります。
心の中にあるキャラクターや風景を人に伝える先生方は、もっと大変な思いをしているのだと思います。
…まだ、うまく言葉にはできないけど、心していかなければなりません。
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