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【書評】「楽しむ」を忘れた現代人へ『手段からの解放』で人生の余白を取り戻す!

はじめに

みなさん、こんにちは!武道家で整体師のこういちじゃ。今日は國分功一郎先生の新刊『手段からの解放』を紹介させてもらうんよ。


本書の基本情報

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\begin{array}{|l|l|}
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\text{タイトル} & \text{手段からの解放:シリーズ哲学講話} \\ \hline
\text{著者} & \text{國分 功一郎} \\ \hline
\text{出版社} & \text{新潮社(新潮新書)} \\ \hline
\text{価格} & \text{968円(税込)} \\ \hline
\end{array}
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現代社会が抱える問題

みなさん、「楽しむ」ってなんじゃろか?ボクもこの質問をよう考えるんよ。武道の稽古を教えとる時も、「試合のため」「昇段のため」言うて、なんでもかんでも「目的」にしてしまいがちじゃ。でも、本当の楽しみってそういうもんじゃないんよね。

でもの、そういう「目的」ばっかりになってしもうと、人生の楽しみが失われてしまうんよ。本書はそんな現代社会の病理に切り込んでくれとるんじゃ。

本書の特徴と価値

國分先生は、カントの哲学を手がかりにしながら、人間にとって「楽しむ」という行為の本質に迫っていくんよ。特に注目したいのが「嗜好」と「享受」という概念についての考察じゃ。

タバコやお酒なんかの嗜好品は、それ自体が目的であって、なにか別のものを達成するための手段じゃないんよ。この「手段化されない楽しみ」こそが、実は現代社会で失われつつある大切なものなんじゃ。でも現代社会は、そういう「無目的な楽しみ」をどんどん失わせていきよる。

ボクが整体の施術をしとって気づくんじゃけど、体の凝りも心の凝りも、なんでもかんでも「目的化」してしまうことから来とるんよ。リラックスするのにも「効率的な方法」を求めてしまう...そんな本末転倒な状況に陥っとるんじゃ。

こういちの一押忍ポイント

本書で特に印象に残ったんは、「享受の快が奪われていく現代社会」についての分析じゃ。著者は、この「享受の快」の剥奪こそが、現代人を依存症へと追い込んでいく一因なんじゃないかって指摘しとるんよ。ボクらは武道の稽古でも「ただ打ち込む時間」の大切さを説くんよ。目的を忘れて、動作そのものを楽しむ。それが上達への近道なんじゃ。

國分先生の言う「手段からの解放」は、まさにそういう境地を指しとると思うんよ。整体の施術でも、ただ体に触れる時間を大切にする。そこに「効果」や「結果」を求めすぎると、かえって体が硬くなってしまうんじゃ。

現代社会への処方箋

本書は単なる哲学の本じゃないんよ。現代社会が抱える深刻な問題への処方箋として、以下のような具体的な示唆を与えてくれるんじゃ:

  • 「目的」に縛られすぎない生き方の発見

  • 「楽しむ」ことの本質的な意味

  • 依存症の新しい理解の視点

  • 日常に「余白」を作る大切さ

まとめと推薦

世の中どんどん効率化が求められる時代になってきたけど、それでええんかな?本書は「手段」や「目的」から自由になることの大切さを教えてくれるんよ。

みなさんも、たまには「なんのため」を忘れて、ただそれを楽しむ時間を持ってみんかな?本書は、そんなヒントをたくさん与えてくれる一冊じゃ。

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