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#ホラー小説

素人が短編ホラー小説を書いてみる「マネキン」

素人が短編ホラー小説を書いてみる「マネキン」

何十もの視線を常に浴びる人間の気持ちが分かるだろうか。別に僕は歌手やモデルといった華やかな世界の人間でも、誰もが名前を知っている著名人というわけではなく、ただの収集家、かっこよく言えばコレクターだ。それもマネキンの。マネキンのコレクターなら、もしかするとそこそこ居るのかもしれないが、僕はちょっと限定的、つまりマネキンの頭のみのコレクターで、それらを部屋の棚に幾つも飾っているわけだ。どうせ人に理解さ

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素人が短編ホラー小説を書いてみる「電車の中のA君」

素人が短編ホラー小説を書いてみる「電車の中のA君」

※この話は知り合いの方が昔体験したという話をベースに作りました。

私が高校生だった時、いつも通り学校が終わり夕方一人電車に乗って帰っていた時の事だ。確かそれは金曜日の夕方。当時私は進行方向とは逆の端、つまり電車の一番後ろに位置する車両に乗るのが何となく習慣となっており、その日も駅で待っている段階からそこに座る事をイメージしていた。電車がホームに入り、車両一つ一つが私の前を通り過ぎていく。それぞれ

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素人がサスペンスホラー小説を書いてみる「ホラー苦手なんです」

素人がサスペンスホラー小説を書いてみる「ホラー苦手なんです」

「ホラー苦手なんです。ああいったのを喜んで観る人達の気持ちが分からなくて」

と、清々しい今の季節と重なるような澄んだ声で麻衣は言った。彼女とは仕事を通じて知り合い、少し前から仲良くしており、今回家に招かれそこに向かって二人歩いている所だ。話題はいつの間にか観る映画のジャンルの事となり、「ホラーは観るの?」という俺の質問に対する麻衣の答えがこれなわけだ。

「やーいやーい怖がり麻衣」

登下校中気

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