🦊　僕は墨汁

僕は、「強制」される事が何よりも嫌いだから
歌いたくもない歌を、バスとかいう訳の分からない低すぎる音階で歌わせられる、合唱コンクールが大嫌いだった。

高校2年の、音楽の授業内で合唱練習をした時のこと。
ズラーっと音楽室に並んで、前で音楽の先生が指揮を取る。小麦色のいやらしい髭を生やした中肉中背の男。

全く、ただの素人の子供に指揮をすることになぜそこまでウットリ…とできるのか？と疑問に思うほど、自分に酔っているのがわかる表情で指揮を取る。

そんな先生が面白くて、友達に小声で、酔いすぎだろみたいなことを言って笑いを誘っていた。
真面目に練習する気が無かったので、ずっとこんな感じでいたわけだが、ついに、ふざけていることが先生に気づかれた。

中学くらいからこうしてきたので、怒られることには慣れているが、その時言われた言葉が印象的で、僕含めその場にいた多くのメンバーが今でもこの言葉を覚えている。

「美しい水の入ったバケツに、一滴墨汁をたらしただけで、水は濁るんだよ」

最初は何を話し出しているのかと思ったが、次第に意味がわかってきた。わかってきた、といっても、こっちの脳が弱いから理解が追いつかなくて…と言うことでは無くて。
なんか頭がいい風な表現をしたかったのか、独創的な表現がしたかったのか、ひん曲がった言い方をするので、少しばかり歩み寄ってやった。って感じである。

自分が矢沢永吉とかだと思ってるのだろうか。って感じである。

まぁ要は、僕以外のクラスメイトが美しい水で、僕は墨汁だと言うこと。
これって結構、衝撃的な発言だ。

「美しい水」の対比として「一滴の墨汁」

ほう。これはすごい。美しい水が少しでもこぼれたら…とかじゃなくて、僕は墨汁だと。
ほぉ〜！つまり良くない存在なわけですね。

実は、その言葉を言われた時、なんてひどい…とか、そんな…とかは思わなかった。
表現は違えど、本質は先生と同じ考えだった。

僕は、やりたいやつ(美しい水)だけでやって、やりたくないやつ(墨汁)はやらなきゃいいのに。と思っていたから。

先生から墨汁判定出してくれたので、その後はとてもラクだった。
君ならできる！さぁもっと練習しよう！だなんて言われる熱血だったら一番キツかった。

結局僕は合唱コンクール当日、親には何も言わずに時間通りに家を出て、学校に熱出ましたって感じで連絡して、別の高校に通っている友達の家で遊んだ。

まあここで何を言いたいかというと、別に何か愚痴りたい訳じゃなくて。(まぁ皮肉は面白いからしたいけれど)

面白い表現だなと思ったので、近い表現を探したいなと思ったのです。

ブラックマヨネーズというコンビが、Mr.Childrenというアーティストの、Mr.とChildrenというアンナチュラルな組み合わせを元にそのコンビ名を決めたように。

あの小男が、真面目に歌うみんなとひとりの邪魔者を
美しい水の入ったバケツと一滴の墨汁と表現した、
これみたいなのを他の表現ないかなあって感じで
なんか書いてみたいなーっていう。

ここでのルールは、
「清らか・正義の大勢vs汚い・悪の少数」という感じだと思う。
オリジナルで考えてみる。

最高に映えた写真撮れても
奥にこっち見てるおっさんが写ってたら
いいね貰えないんだよ！

とかどうだろうか。
どれだけお洒落なカフェに行って、光の入り具合とか調整したりして、ストローの位置とか変えて撮っても
奥の席のおじさんがカメラとばっちり目が合ってたら、載せられない。
おじさんさえいなければ良いものになったのに。
合唱に俺さえ居なければいいものになったのに。みたいな。これいいね結構。

どんだけ長瀬が魂込めて歌っても
城島があややとぅーやーしたら
台無しなんだよ！

これもいい。
説明こそ、もはやしないが(わからない人はあややとぅーやーで検索して欲しい)

他の全ての国が核をやめても
1つの国が核を持つのをやめなければ
世界平和は訪れないんだよ！

スケールを大きく。
このくらいに言ってもらえた方が良かったね。
もはやお前は核だと。
世界を脅かす存在だと。
まぁこんなことを言われたら、生徒を核呼ばわりしたということで、文春から核が飛んでたね。

と、いうことで
高校時代の楽しい思い出を、皮肉たっぷりにお届けしました。
皆さんもそれぞれこうやって皮肉にすると、楽しいですよ。おすすめです。

kou