「お坊さん」「和尚さん」「宮司さん」…宗教者の正しい呼び方講座
お葬式での疑問から
みなさん、こんにちは。
今日は、お葬式で実際にあった出来事をきっかけに、宗教者への呼び方についてお話ししたいと思います。
昨日、私は導師としてお葬式を取り行いました。
その時、施主さん(お葬式を営む代表者の方)から、
「お坊さんって呼ぶのは少し気軽すぎるような気がするのですが、どうお呼びすればいいでしょうか」
と質問を受けたんです。
実は、これってすごく良い質問だと思いました。
たとえば、先生や医師に対して「先生」と呼ぶように、宗教者に対しても適切な呼び方があります。
でも、普段なかなか接する機会がないから分からない...というのが正直なところかもしれませんね。
お坊さんの呼称について
お坊さんという言葉の由来
「お坊さん」という呼び方、実は「坊主」が語源なんです。
ここで面白いのが、「坊」という字は建物、つまりお寺を指していたということ。
その建物のリーダー的な存在を「坊主」と呼び、それが親しみを込めて「お坊さん」となったわけです。
住職と副住職の違い
住職さんは、たとえば会社で言うと社長さんのような存在です。
お寺の代表者として、対外的な業務や重要な判断を行います。
一方、副住職は、その名の通り住職を補佐する立場。
私自身も副住職として日々勤めていますが、「副住職さん」という呼び方は少し言いづらいですよね。
和尚という呼び方
「和尚」という言葉には、「一人前の僧侶」という意味が込められています。
ただ修行を始めたばかりではなく、しっかりと修行を重ねた証として使われる言葉です。
たとえば曹洞宗では、和尚になると弟子を取ることができるようになります。
神職の方の呼び方
これは私自身も最近勉強になった話なのですが、先日、近所の桜町二宮神社での例大祭に参加した時のこと。
神職の方への呼びかけ方に迷ってしまい、調べてみました。
宮司さんと神主さん
神社では主に2つの呼び方があります。
宮司さん:神社の代表者で、お寺でいう住職さんにあたります
神主さん:宮司さん以外の神職の方々を指します
巫女さんについて
巫女さんは、よく神社でお見かけする白い着物に赤い袴姿の女性スタッフの方です。
儀式にも参加しますが、神職という位置づけではなく、神社のサポート役という立場になります。
実践的な使い分け
では、実際にどう使い分ければいいのでしょうか?
たとえば、お寺で法要がある時:
初めての方は「和尚さん」か「住職さん」と呼ぶのが無難です
すでに親しい関係であれば「お坊さん」でも失礼にはなりません
神社にお参りに行った時:
分からない場合は「宮司さん」と呼ぶのが基本です
実際の役職が分かっている場合は、それに応じて「神主さん」と呼び分けましょう
おわりに
今回お話しした内容は、普段の生活ではあまり接することのない知識かもしれません。
でも、人生の中で必ず訪れる冠婚葬祭の場面で、きっと役立つはずです。
大切なのは、形式的な呼び方だけでなく、その言葉に込める敬意の気持ち。
もし呼び方に迷ったら、
「失礼ですが、どのようにお呼びすればよろしいでしょうか」
と素直に聞いてみるのもいいですね。
私自身、副住職として日々さまざまな方とお会いする中で、こうした些細な気遣いが、お互いの心を温かく繋いでいくのだと実感しています。
みなさんも、神社やお寺に行く機会があれば、ぜひ今日のお話を思い出してみてください。