空っぽの日、私と夫と茨木のり子さんと。
今日はなんだかふわふわしていて。昨日1年ぶりにアルコールを摂ったせいかなと思ったり。最近いろんな人と会いすぎたからかなと思ったり。こういう空っぽの日は、なにかで自分を埋めたい気になるんだけど、さっきからなにも浮かんでこないから、本当はもう寝たほうがいいんだろうね。
じゃあ、寝ましょうかね。
と思っていたんだけど、今日は夫が『飲むか』と誘ってきた。2日連続はちょっと、と思ったけれど、最近のノンアルコールビールは本当においしいので、それを買ってきてもらって。生ハムと一緒にいただく。うますぎる。
現在実家へ帰省中だから、基本的には両親+わたしたち家族で過ごしていて。でも今日は両親が外出なので、子どもたちの寝かしつけが終わると、久しぶりに夫と2人きりになった。いつもなら特に会話なんてせずにお互い好きなことをして過ごすんだけど、わたしは空っぽを埋めたいから前のめりに話しかけていた。
「わたしさ、いつも人を羨ましがってばかりじゃない?昨日友だちと飲みながら話聞いてても、”隣の芝生がもう青々としすぎてて眩しくてみてらんないよ”って思って、話半分だったわ」
「娘ちゃんのイヤイヤ期というか話きかない期というか。あれさ、どうしたもんかね?叱っても叱っても伝わっていないのがしんどい。どういう声かけしたらいいのよって思うんだけど」
とか、内容はいろいろ。夫は『うん。うん。そうだね~。どうだろうね~。』ってばかりで。あんたが飲もうっていってきたんだろうがよ、ってイラつくぐらい気のない返事をしながらタブレットで本読んでた。それで、
「わたし最近楽しいって思ったこと、なにかあったかなぁ。あ、でもさ、そう思う時、思い出す詩があるんだよね。茨木のり子さんって人の・・・。題名なんだったかなぁ・・・」
というと
『あ。知ってる。自分の感受性くらい、でしょ。』
と使っていたタブレットで詩を検索して見せてきた。
内心、ドキッとした。わたしたちは趣味嗜好が全く重なることがない夫婦だ。だから、まさか茨木のり子さんの詩で盛り上がる日がくるなんて思ってもみなかった。まぁ、盛り上がりが終わると、夫は『YouTubeみるね』とスマホを出し、ついには寝始めたのだけれど。
ドキッを返せよ、と思いつつ、タブレットの詩を何度も読み返していると、今日の空っぽは埋まった。
自分の感受性ぐらい、自分で守ろう、わたしよ。
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