娘の表現に、ママは心ふるえた。
いつもは全然歩こうとしない娘が、この日は珍しく手を繋いで、『おさんぽ〜!!おおきい かいだん いきたい〜!』というもんだから、いつもはめんどくさがりのママも「OK OK!いきやっしょう!」とテンションを上げた。
みんなでルンルンと橋の上を歩いていたんだけど、娘が上を指差していった。
『ママ、◯◯いっぱいねぇ!!』
なにがいっぱいなのか聞き取れなかったから、なんとなく「そうだねぇ〜?」と曖昧に返事をしていて。でも、すごく楽しそうに上を見ているからなんだろうと思ったら。
『ママ、おそらがいっぱいだねぇ!!!』
っっっっっっ!!
「ほんとだね!!!お空がいっぱいだね!!!」
もう、それはそれは心がふるえた。
橋の上からは建物が邪魔してくることなく空が高くどこまでもひろがっている。娘はそれがとても楽しいようで、ニッコニコ笑いながらずっと見上げている。
自分が知っている少ない言葉の中から、どれがあてはまるのか一生懸命考えて、”いっぱい”という言葉で私たちにこの大空を伝えようとしたんだと思うとなぜか涙が出そうだった。そして、きっと成長とともになくなってしまうだろうこの表現と、愛しさで心が震えたことを一緒に残しておこうと思った。
伝わったことが嬉しい娘は
『ねぇ!!いっぱいねぇ!!』
と繰り返していた。
かわいいかわいい娘さん。
またいろんな言葉で世界をママに教えてくださいな。