日々の学びを十分に活かしきれていますか?(韓愈「贈別元十八協律」其五)
今回取り上げるのは韓愈の詩からの言葉。
自分はもう十分学んだと判断してそれ以上学ばなくなることを心配し、既に学んだことについて実践していないのではないかと心配する、という意味。
つまり、「自分は学びを十分に深め、実践できているだろうか」と常に自問しなさい、ということですね。
韓愈(768年〜824年)は中唐の文人。
唐宋八大家の一人で、白居易と並び称されるほどの人です。
日本でも、高校の漢文の教科書に出てきたりしたと思います。
韓愈は、当時流行っていた四六駢儷体(しろくべんれいたい)に対して、古文の復興を提唱。
古き良き文体への回帰を目指しました。
そういった背景もあり、韓愈は儒教への造詣が深い人物です。
何本か論文も残しているのですが、それらに含まれる儒教的主張や考え方は、後世の朱子学にも影響を与えたほど。
色々と構成の歴史に影響を与えた人物なのです。
さて、そんな韓愈の漢詩ですが、実は今回ご紹介している言葉は、もう少し長いフレーズの一部分になります。
ここで該当箇所の一文全体を見てみましょう。
大意は、
書物を読んでは、読む量が少ないのではないかと心配し、
正義について考えては、自分の中ではっきりしないことを心配し、
自分はもう十分学んだと判断して、それ以上学ばなくなることを心配し、
既に学んだことについて、自分は実践していないのではないかと心配する
という感じになります。
どのフレーズも、自身の学びや行動が不十分ではないかと心配する様子が伝わってきますね。
現状に満足せず、常に努力を続ける姿勢が大事なのです。
実際、孔子も努力をし続けた人でした。
本人が以下のような言葉を残しています。
私は生まれながらにして何でも知っていたわけではない、古代を愛し、努力を重ねて探究してきた者なのだ、という意味。
孔子は、途中で満足することなく、いくつになっても探究を続けてきたからこそ、後世に名を残すことができたのだと思います。
また、有名な儒家の一人である荀子も、以下のような言葉を残しています。
学問とは、実際に行動してみて初めて学んだと言えるのだ、という意味。
「既に学びては行わざるを患う」と同じ意味ですね。
学びの道は、実践を繰り返すことで完成するのです。
ところで、皆さんは本を読んだ後に、そこで得た知識を実践できていますでしょうか?
ちなみに、私は以前までなかなか実践できていませんでした。
読んだ直後は感動したり、印象に残ってやる気に満ち溢れていたりするのですが、気づけばそのまま時が過ぎてしまい……。
ふとした時に「あれ、そう言えばあの本ってどんな内容だったっけ?」と思い出す始末。
ですが、あるとき思ったのです。
「せっかく本を読んだのに、そのままで良いのだろうか?」と。
今までの自分の行動が、なんだかちょっと勿体無いように感じたのです。
それ以来、本を読んだら必ず読書メモを書き、具体的な行動計画を立てるようにしています。
読書メモについては、読書中に気になった箇所に付箋を貼っておき、それを自分の言葉でまとめる感じです。
行動計画の方は「ネクストアクション」と呼んでいるのですが、本を読んで実践したくなったコツや考え方を、具体的な行動として箇条書きにしています。
例えば、
寝る前に、今日あった良いことを日記に書き出す
ネガティブな考えが浮かんできたら、頭の中で葉っぱに乗せて川に流すイメージをする
といった感じです。
書き出したネクストアクションは、数日中に試します。
自分に合ってそうであれば習慣化するのですが、合わなそうであっても、それはそれで一つの経験になるので問題なしです。
いずれにせよ、学んだことを実践に移していき、そこで得た経験や疑問をもとに次の学びにつなげていければ、きっと少しずつ成長できると思っています。
実際、それらの経験はnoteにも活かすことができているので、色々と実践してみて良かったです。
皆様もぜひ、日々の学びを実践してみてくださいませ。
今回は、「自分は学びを十分に深め、実践できているだろうか」と常に自問しなさい、という言葉をご紹介しました。
学ぶことをやめず、常に実践を心がけるということはなかなかに難しいことです。
ですが、他の人よりも一歩でも半歩でも学びを深めることができれば、それがあなた自身の強みになります。
まずは身近なところから始めてみるのが良いと思います。
何か本を読んでみて、そこで得た知識や考え方を日常で実践してみるのがおすすめです。
ゆっくりで良いので、日々小さな学びを続けていきたいですね。
それでは今回はここまで。
また次の記事でお会いしましょう👋
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