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ゲームがきらいな理由
昔から、勝負事が苦手だった。
父やきょうだいが好きだったゲームを一緒になってやってみたことはあったけれど、すぐ離脱した。ボードゲームも好きじゃない。トランプもそれほど、でもUNOと大富豪だけはなぜだか例外だった。
勝てないからだと思う。
勝つために多少の努力はするけれど、たくさん頭を使うのはめんどくさい。それよりも空想の世界に浸っていたほうが幸せだし、頭は別のところで使いたい。だから一向に勝てない。負け戦は楽しくない。
ゲームが嫌いでも、日常生活には差し支えない。
周囲で展開されるゲームの話題についていけないとか、ゲームを介した遊びに参加できないとかそういう限定的な制約はあるけれど、実害はさほどない。むしろ、ゲームに執着するあまり毎日のように親と喧嘩になるきょうだいの姿をみていたから、好きにならなくてよかったと思っていた。もっと平和に生きていこうよ、と。
だのに、ここへきて詰め将棋で休日を丸一日潰した。
将棋好きの子どもに毎晩のように将棋の手合わせを願われて、さすがに負け続けるのも悔しくて、ちゃんと戦術を学ぼうと思うに至ったのである。
かろうじてルールを把握しているだけでは、まぐれでも勝てない。守るのに必死で、それすらもすぐ隙を突かれて崩されてしまう。攻め込んでみようものならば、速攻こてんぱんにされておしまいである。負け戦は楽しくない。
どうしたら勝てるのか。勝てずともせめて、互角に渡り合えるぐらいになるにはどうすればいいか。セオリーを学ぶことである。
一度にたくさんは覚えきれないので、とりあえず「棒銀」の説明を読んでみた。すると試してみたくなるので、コンピューター相手に指してみる。「棒銀」を達成するまでもなく打ち負かされて肩を落とす。もっと初心者にやさしいものはないかと探した結果が、子ども向けの詰め将棋だった。苦戦しながらも、ノーヒントで正答に辿りつくことができればとても気分がいいし、答えをみながらでも勉強になる。身の丈にあった学習ができることは楽しい。
勝負事が嫌いなのは、勝てないからだ。
勝てないのは、勝ち方を知らないからだ。
勝ち方を知っていれば、勝つために工夫をすることも頭を使うことも、億劫なことではなくなる。それってとても楽しいことだ。
勝ち方を知らないがために戦いから遠ざかってしまっているわたしのような人がどこかにいるならば、勝ち方を学んでみようよと教えてあげたい。
そして、将棋の勝ち方を教えてほしい。