新人クリエイターの「クライアントとの接し方問題」に、私はこう立ち向かった
【はじめに ”一本立ち”をめざす新人クリエイターの皆さんに向けた記事を連載化します!】
先週「新人クリエイターの『お金を払ってもらえない問題』に、私はこう立ち向かった」という記事を投稿しました。
現在、脚本家として生計を立てている私が、新人時代に実践していた「ギャラ交渉のノウハウ」を公開したものです。
読んでくださった皆さん、補足の有料部分まで購入してくださった皆さん、ありがとうございます!
皆さんがTwitterで「役に立った!」とリプライをくださったり、記事を紹介してくださったりしたおかげで、ビュー数、「スキ」数とも、約100本ある私の過去記事の中で最大になりました!
先週の記事は、お金の問題を扱ったものでしたが、私の新人時代には、その他にも乗り越えるべき課題がいくつもありました。
主なものは以下の四つです。
『クライアントとの接し方問題』
『バイトをするかどうか問題』
『家族やパートナーが応援してくれない問題』
『モチベーション低下問題』
これらの問題に対して、私がどのように立ち向かったかということも、今日から週に1回のペースで投稿して行きたいと思います。
今回取り上げるのは『クライアントとの接し方問題』です!
この問題もうまく対応できないと、新人クリエイターの皆さんを創作が続けられない状況にまで追い込みかねませんが、ちょっとしたコツで成功の確率がグッと上がります!
私が必死で考え、実践してきたノウハウをお届けしますので、参考にしていただけたら嬉しいです。
「クライアントに初めて会う時」から、「作品の完成まで」を想定し、3つのステップに分けてご説明していきますね。
※2018/5/24追記 新人クリエイターの皆さん向けの記事をマガジン化しました。マガジン「クリエイターとして”一本立ち”したいあなたへ」
ぜひ、『お金を払ってもらえない問題』、『バイトをするかどうか問題』、『パートナーや家族が応援してくれない問題』『モチベーション低下問題』に関する投稿もお読みください!
【ステップ1 初対面の時は、エラい人にこそフランクに接してみよう!】
偉い人には、あたかも彼が偉くないかのように接しなさい。そして、偉くない人には、あたかもその人が偉いかのように接しなさい
「ユダヤ人大富豪の教え」という本からの引用です。
このルールは、新人クリエイターにも当てはまると思います。
初対面のクライアントに対しては、あえて「フランクに接すること」を心がけてみましょう!
例えば新人脚本家なら、有名プロデューサーにこそフランクに接するということですね。
但し、「エラい人にフランクに」と言っても、「タメ口で話す」といった類のことでは断じてありません。
『お金を払ってもらえない問題』の投稿にも書きましたが、新人クリエイターはつい、「このクライアントから良い評価が得られるかどうかに、自分の未来が掛かっている!」と思って、萎縮しがちです。
ですが、縮こまっていては、あなたの良さは発揮できません!
初対面のクライアントには、ふだんの自然な状態のあなたを見てもらい、あなたの嗜好や得意なことを分かってもらうことが大切です!
……とは言え、慣れないうちはどうしても緊張すると思うので、あえて自分に「フランクに」と言い聞かせるぐらいがちょうど良いと思います。
「相手をリスペクトするが、卑屈にはならない」ということですね。
「普段通りの自然なあなた」で接していれば、自ずと相手もそうなるはずです。
すると会話が弾み、あなたもクライアントの嗜好をスムーズに把握できるというメリットもあります。
友好的に、自然体で接する中で、クライアントがあなたにどんな作品を望んでいるのかを読み取って行きましょう!
【ステップ2 2回目以降の打ち合わせでは、”クライアントが持っていない視点”からも提案をしてみよう!】
作品が完成するまでに、クライアントとのやり取りは何度か繰り返されるでしょう。
トーン&マナーのすり合せ等をしていく中で、あなたがクライアントの嗜好にあわせること”だけ”に必死になっていないかセルフチェックしましょう!
例えば、「クライアントがサッカーファンだと分かったので、無闇に作品にサッカーネタを入れてしまう」といったことをしていないでしょうか?
「そんなこと、するわけないよ」と、思われるかもしれませんが、新人クリエイターはクライアントの評価を恐れるあまり、「とにかく好かれたい」という心理状態に陥りがち。十分注意が必要です。
クライアントの望みは、
「あなたに、自分好みの振る舞いをしてほしい」ということではなく、
「あなたのスキルや感性を最大限に生かして、良い作品を創り上げてほしい」ということです。
【ステップ1】以降、クライアントがあなたにどんな作品を望んでいるのかを読み取ろうと努力してきたと思います。
それを作品に反映させることはもちろん大切ですが、同時に、
「クライアントが持っていない視点、切り口からの提案」も、行いましょう!
例えば、クライアントが海外ミステリー小説のファンだとします。
あなたがそのジャンルには詳しくない場合、時間の許す限り海外ミステリーを読み、クライアントとの”共通言語”を持とうとする。
……というところまでは、多くの新人クリエイターがすることです。
それに加えて、「あなた自身が詳しいジャンル」を参考にした意見やアイデアを提示すれば、ライバルにグッと差を付けられるはず!
例えば私の場合なら、落語や歌舞伎が好きなので、古典芸能の世界でのストーリーのパターンを参考にしたアイデアも提示する、といったことです。
複数の視点や切り口から作品を見直し、ブラッシュアップすることは作品の質の向上に繋がります。
つまり「あなたならではの提案」はクライアントにとっても大きなプラスであり、「ひたすら相手に好かれようとする戦略」よりもずっと、あなたの評価アップに繋がるはずです!
【ステップ3 意見の相違が生まれた時は、”作品を届けたい人たち”の存在を意識して話し合おう!】
作品の完成までの過程には、クライアントとの間で意見の相違が生じる場合もあるでしょう。
「たとえ自分の主義に合わなくても、クライアントの意向を100%受け入れる」と割り切るというのも、クリエイターとしての一つのあり方だとは思います。
ですが、クリエイターがクライアントの要望に対して腹落ちできていないままでは、いいパフォーマンスをするのは難しいとも思います。
特に新人は一般に、ベテランに比べて技術的に未熟。
その未熟さを超えて人の心に訴える作品をつくるには、「気持ちが乗っていること」が重要です。
「クライアントの言うことだから、とにかく受け入れた」というのと、
「自分も納得した上でクライアントの要望を受け入れた」というのとでは、作品の質は自ずと違ってくるでしょう。
あなたとクライアントの意見が食い違った時は、「私はこうあるべきだと思う」という主張をするだけでなく、
「読者、聴衆、観客にとっては、どうあることがベストなのか?」
という視点も取り入れてみましょう!
こうするだけで、新たな”第三のアイデア”にたどり着ける場合もあります。
新人クリエイターから「私の考えはこうです!」という主張を繰り返されると、「生意気な……」といった気持ちになるクライアントも中にはいるかもしれません。
ですが、そのタイプのクライアントであっても、
「読者、聴衆、観客はこちらの方が喜ぶのでは?」
という主張ならば、耳を傾けてくれやすいはずです。
「相手に敬意を払うこと」と、「クリエイターとしてのびのびと、良いパフォーマンスをすること」は両立します。
それなのに、新人クリエイターは「従順な良い子」としてふるまって、自縄自縛の状態になってしまうケースが多いです。
これは、学校教育や、組織で働いていた頃の経験から、「従順であることは評価の対象」という感覚が刷り込まれているからではないでしょうか。
また、「あなたが自分のスキルに自信がないこと」もその要因かもしれませんね。
新人クリエイターが自信を持ちきれないのは自然なことではありますが、「スキル不足を、良い子でいることでは補えない」というのもまた事実です。
自信のなさを乗り越える方法は、一つだけ。
「自信をつける」ということしかありません。(なんとも身も蓋もない話ですが……。)
「いい子と思われる努力」をする時間はすべて、スキルを上げることに使う方がずっと合理的だと私は思います。
【おわりに 個性的なアイデアで、ライバルに差をつけるコツ】
長い投稿をお読みいただき、ありがとうございます!
【ステップ2】で、「あなたならではの視点、切り口の提案をすることで、ライバルに差がつけられる」と書きましたが、これに補足して「個性的なアイデアで、ライバルに差を付けるコツ」を有料で公開させていただきます!
新人クリエイターは同じようなキャリアの者同士、横並びで比較されることも多いと思います。
そういった場面で、”人とは一味違うアイデア”を生み出すコツをご紹介します。これも私が必死で考え、実践してきたことです。
「絶対クリエイターとして一本立ちしたい!」という方は、ぜひこちらからどうぞ!
個性的なアイデアで、ライバルに差をつけるコツとは……
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