呪詛の冤罪で皇后の位はく奪?! ことの葉綴り 九一九回
お祝い事にいい日
こんにちは。朝から急ぎのお仕事していて、「ことの葉綴り」が昼前になってしましました(苦笑)
さて九月六日(火)は、六曜は「赤口」はお昼前後の正午が吉。十二直は「満」で、すべてが満たされる日。ただし控えめにして吉。祭祀、お参り、お祝いごと、婚礼、引越し、旅行、種まき、新たなことはじめよし。二十八宿「室」も、祭祀、お参り、御祈願はじめ、婚礼、お祝い事に吉。そして天が母のように慈しむ「母倉日」です。
皇后・皇太子の母になった斎王井上内親王
井上内親王さまは、五歳のときに「卜定」で、伊勢の神宮で、天照大御神さまにお仕えする「斎王」に選ばれて、十一歳で、伊勢の斎宮に入られて十九年間、祭祀をおこなわれました。
三十歳で、斎王の任をとかれ、都へと戻られます。
そこから、「セカンドライフ」がスタートします。
五十八歳の白壁王に、嫁がれて、
三十八歳で酒人内親王を出産。四十五歳で他戸もお産みになられました。
五十四歳の年、七七〇年(宝亀元年)、異母姉称徳天皇さま崩御により、夫白壁王が、光仁天皇としてご即位され皇后になられたのです。
斎王、ご結婚、出産し母になられ、さらに、皇后にまで!
井上内親王さまがお産みになった、他戸親王は、聖武天皇の孫でもあり、皇太子となります。
呪詛をかけた大罪により皇后の位はく奪!?
ただ、皇位継承問題が起きており、夫である光仁天皇さまは、身の危険を感じられて、酒浸りとなった上、腑抜けを装ったそうです。
夫の天皇即位から、二年後の七七二年三月二日、事件は置きました。
なんと「巫蠱大逆(ふこだいぎゃく)」という、天皇を呪い殺すように巫女に祈祷をさせた、という罪にとわれたのです。
つまり、夫である光仁天皇を呪い、早死にを願い、息子である皇子の他戸皇子を天皇の位につけようと祈祷した……。
誰かの「密告」により、いきなりの大逆罪により、同年七七二年五月二十七日。井上内親王さまと、皇太子の他戸皇子さまともども、位をはく奪されてしまうのです!!
ええ~っ??! ですよね。
まさかの展開です。
ミステリーのようです。
幼い頃から、斎王として天照大御神さまにお仕えし祈りに身を捧げてていた皇女が、皇后となられ、夫の天皇を呪詛する祈りをしたと「冤罪」に問われるなんて……。
そして悲劇はまだ続くのです。
―次回へ