「宇治の五十鈴川の川上の宮処」登場! 元伊勢九〇 神話は今も生きている ことの葉綴り四一九
おうちで過ごそう
こんばんは。三度目の緊急事態宣言が出ることになりましたね。
できるだけ「STAY HOME」心がけて過ごします。
思えば一年前、おうち時間が増えたことから、「ことの葉綴り」で、神話の物語を綴りはじめました。
在宅での時間、オンラインでの仕事など、お家で、することも増えましたね。
皆さんは、どんな風にお過ごしですか?
今を感じながら、それを受け入れて、楽しみを見つけて過ごしたいですね(^^)
お一人お一人がお元気で、佳きことがありますように!!
さて、今夜もお仕事を終えて、神話の物語を綴ります。
※これまでの神代~14の神話の物語(1~367回まで)のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。新たに「元伊勢 倭姫命さま 前編」の物語もマガジンに「まとめ」ました。
吉(き)宮処を見つけてきた大若子命
物語は、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、天照大御神さまがお静まりになる宮処を探し求めて、大河(宮川)の流れに沿い、伊勢の国をご巡幸なさっております。。
前回、信頼を寄せる重臣の大若子命(おほわくごのみこと)が、御船を率いて、倭姫命さまをお迎えするために参上し、久しぶりの再会を、たいそう喜ばれたところまでを綴りました。
「大若子命よ、どうであった? 天照大御神さまをお祀りするにふさわしい吉き候補となる地は見つかったのか?」と。
さて、大若子命は、どう答えられたでしょう?
白(まを)さく、「佐古久志呂(さこくしろ=裂釧)宇遅(うぢ)の五十鈴の河上に、吉(よ)き御宮処(おほみやどころ)在り。」と白しき。
亦(また)、悦び給ひて問ひ給はく、「此の国の名は何そ。」と白さく、「御船向田(みふねむくた)の国。」と白しき。
其の処より御船に乗り給ひて、幸行したまひき。其の忌む楯桙(たてほこ)、種種(くさぐさ)の神宝を留め置きし処の名は、「忌楯小野(いむたてをの)と号(なづ)けたまひき。
倭姫命さまのお尋ねに、大若子命は、次のように申し上げました。
「はい、倭姫命さま、(佐古久志呂=さこくしろ)宇治の五十鈴川の川上に、皇太神(すめおほみかみ)さまがお鎮まりになられるのにふさわしい、よい御殿の候補地がございます!!」
この佐古久志呂=さこくしろは、宇治にかかる枕詞で、訓(くしろ)は、古代の装身具のことです。口の裂けた鈴を腕飾りとした「裂訓(さくしろ)」のことだそうです。
“宇遅(うぢ)の五十鈴の川“が登場!
大若子命の報告を受けた倭姫命さま、瞳がいっそう輝いて喜びが沸き上がってきます。
そうか、そうか……御宮処にふさわしいところが見つかったのですか。
その国の名前はなんというのですか?
さらにお喜びになられた倭姫命さまが、問いかけます。
はい。御船向田(みふねむくた)の国と申します。
さあ、倭姫命さま。参りましょう。
倭姫命さまは、大若子命たちと共に、御船にのり、「沢道の小野」とお名づけになられたところから、大河(宮川)を下り、伊勢湾へお出になり、次に五十鈴川へと入られて、ご巡幸をなさっていくのです。
そして、御船に乗られるときに、楯桙(たてほこ)や、種種(くさぐさ)の貴重なご神宝は、その処に留め置かれました。このことから、その場所を「忌楯小野(いむたておの)と、お名づけになられました。
いよいよ、五十鈴川へと向かわれていくのですね。
現在の伊勢の神宮の皇大神宮(内宮)へと近づいてきましたね!!
―次回へ
#一度は行きたいあの場所
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