天照大御神様のご神饌をつくる御園の守り神 元伊勢八七 神話は今も生きている ことの葉綴り四一六
田畑を潤す雨降る「穀雨」
こんにちは。お仕事の合間のはんときです。
今日は二十四節気の「穀雨」。
田畑に穀物を育てるための春の雨が降り注ぎ大地を潤していく。
四月四日の「清明」のころに蒔いたモミが発芽して、それを育むための特別な雨といわれます。
よもぎも芽吹いていく季節。よもぎは万能薬ともいわれます。
お茶やおまんじゅうでもいかがでしょう?
さて、今日も神話の物語に入ります。
天照大御神さまが、伊勢の神宮にお祀りされるまでの物語。
※これまでの神代~14の神話の物語(1~367回まで)のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。新たに「元伊勢 倭姫命さま 前編」の物語もマガジンに「まとめ」ました。
久求都彦神と庭園の神
伊勢の国で、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、天照大御神さまがお静まりになるにふさわしい宮処を探し求められています。
倭姫命さまは、大河(宮川)のほとりで、参上してきた久求都彦(くぐつひこ)と出会ったその地に「久求の社」をお定めになりました。
この「久求の社」といわれているのも、伊勢の神宮の皇大神宮(内宮)の摂社「久具都比賣(くぐつひめ)神社」さんです。
時に、久求都彦(くくつひこ)白(まを)さく、「吉(よ)き大宮処有り。」と白しき。
其の処に幸行して、園作る神参り相ひて、御園地を進(たてまつ)りき。其の処を悦び給ひて、園相(そのふ)の社を定め給ひき。
このとき、久求都彦(くくつひこ)が、倭姫命さまにこう申し上げました。
「御殿を建てるのに、素晴らしき吉(よ)き候補地がございます」。
倭姫命さまは、久求都彦(くくつひこ)の推薦するその場所へと、宮川を下っていかれます。
すると、庭園づくりの神が、倭姫命さまをお出迎えになり、天照大御神さまにお供えをする野菜をつくる畑「御園」を献上したのです。
その園地には、御殿を建てるのにも必要な藁や萱、稲穂も豊かでした。
倭姫命さまは、「これは、まことに吉きところ」と、お喜びになられて、そこに「園相(そのふ)の社」をお定めになりました。
ご神饌をつくる御園の守り神
この「園相社(そないしゃ)」と言われているのが、
伊勢の神宮、皇大神宮(内宮)摂社の「園相(そない)神社」さんです。伊勢市津村町にご鎮座されています。
ご祭神は、この土地の園(庭園)つくりの神、曽奈比比古命(そないひこのみこと)さまと、御前神(みまえのかみさまです。
こちらは、伊勢の神宮で、天照大御神さまに奉るご神饌をつくり育てる庭園(御園)を守ってくださる神さまです。
倭姫命さまに、皇太神(すめおほみかみ)さまのご神饌の農作物をつくる御園を奉ったことで、お祀りされたのですね。
住所が、伊勢市津村町字白木だったことから、地元の方には「しらきさん」と親しまれて今も崇敬されています。
近年は天候不順もあり、「穀雨」の今日も全国的に晴でしたが、二千年前の、この季節、「御園」の農作物にも、格別の雨を降らせて、成長させていたのでしょうね。
慈しみの雨、若葉輝く季節。
倭姫命さまは、キラキラと農作物の青葉が輝く御園を嬉しそうに眺められたでしょうね。
私たちも、なんだか嬉しくなりそうです(^^)
―次回へ
#一度は行きたいあの場所
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