悲しみの後に、心惹かれた愛でる野 元伊勢八八 神話は今も生きている ことの葉綴り四一七
倭姫命さまが心ひかれた野
こんばんは。今日も残り三時間弱となりましたが、お仕事の後「ことの葉綴り」に、“ちょいと”(^^!向かいます。
なかなか「note」を見ることもできませんが、先週、今週を無事に乗り切れます精進します。ご覧下さった方に、佳き、美きことがありますように!
早速、神話の物語へ。
天照大御神さまが、伊勢の神宮にお祀りされるまでの物語。
※これまでの神代~14の神話の物語(1~367回まで)のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。新たに「元伊勢 倭姫命さま 前編」の物語もマガジンに「まとめ」ました。
伊勢の国で、天照大御神さまがお静まりになる宮処を探すご巡幸を続けられる倭姫命(やまとひめのみこと)。
大河(宮川)の畔で、倭姫命さまのもとに、園作神(そのつくりのかみ)が参上してきて、天照大御神さまにお供えする農作物を育てる御園を献上されました。
その処より幸行するに、美(よ)き小野ありき。
倭姫命目弖(めで)給ひて、即ちその処を目弖野(めでの)と号(なづ)けたまひき。
またその処に円(つぶら)なる小山有りき。その処を都不良(つぶら)と号(なづ)けたまひき。
この処より幸行するに、沢道野(さはみちの)在りき。
その処を沢道小野を号(なづ)けたまひき。
その時、大若子命(おほわくごのみこと)、河より御船率(ゐ)て、御向かへに参り相ひき。
倭姫命さまが、その処からさらにお進みになると、とても美しく素晴らしい野原がありました。
倭姫命さまが、その美しい野に心惹かれて、すぐにその野原を「目弖(めで)野=愛野」とお名づけになりました。
旅の景色、人生の景色、心で愛でる小野
愛でる。めでたい、めでたし。
倭姫命さまは、伊勢に入られてから、小舟でご巡幸をお続けになられています。
ときに、宮処がうまく探せずに、困りはてたこともありました。
人生は、旅のようともいいます。
嵐や雨、風にさらされることも、困難に出会うことも。
そんな辛い旅にも、涼やかな風に吹かれたり、太陽の恵みを受けたり、人との出会いで心触れ合うことも。
朝日、夕日の美しさに涙こぼれることもあります。
悦びも悲しみも、嘆きも諦めも……旅には、人生にはすべて含まれていて……。
倭姫命さまのご巡幸も、さまざまな景色があったでしょうね。
そして、その野に出会われたとき、心から感動されて、麗しい野原だと感じられて、目弖(めで)野=愛野とお名づけになられたのですね。
つぶらな小山、のどかな沢の小道
またそこには、円~くこんもりとしたつぶらな小山が見えました。
愛らしい野に、円らな小さき山よ。
倭姫命さまは、その小山に「都不良(つぶら、津村町)」とお名前をおつけになりました。
さらに、そこからご巡幸でお進みになると、沢の中に道が通じている野原がありました。
こうして見ているだけでも、のどかなことよ。
大若子命のお出迎え
倭姫命さまは、そこを「沢道の小野」とお名づけになられました。
倭姫命さまが、風情のある野原に立って、野に吹き渡る風を感じています。
倭姫命さま~~
声のするほうを向くと、そこには重臣の大若子命(おほわくごのみこと)が、御船を率いて、大河(宮川)の河を遡り、倭姫命さまをお迎えに参上していたのです。
信頼できる重臣の大若子命(おほわくごのみこと)の顔を見つけると、倭姫命さまは、心がほぐれて安堵するのを感じたのでした。
―次回へ
#一度は行きたいあの場所
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