美味し愉し酒 ほろ酔いの応神天皇十八 神話は今も生きている ことの葉綴り六四二
雨上がり後のお朔日参りへ
おはようございます。皆さん、師走で忙しくなっていませんか?
いつも、「ことの葉綴り」に、“お越し”いただき、本当にありがとうございます。年内も、皆さん、お元気で平穏でありますように!
さて、十二月二日(木)の暦は、六曜は、「先勝」で、午前が吉。急用をこなすのにいい。先んじることで幸を勝ちとるとされます。
十二直は、物事を納め入れる日の「納」。商品の買い入れ、買い物、五穀の取り入れに吉。二十八宿は、祭祀、建築、婚礼、旅行、植木の植え替えに吉の「奎」。
そして、天が、母が子を育てるように慈しむ「母倉日」。お参りやご神事関するに吉日の「神吉日」です。
昨日のお朔日、午前で雨があがったので、お朔日参りへ。
まだ水たまりの残る雨上がりのあとの鎮守の杜は、彩深く、そしてキラキラ輝いていましたよ。その写真をシェアしますね。
<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を神さまごとに「マガジン」に分けて読めるようになっています。「神さまも“失敗して成長した”」と、魅力的な神さまごと18のマガジンに分かれています。全体のご紹介は、こちらをどうぞ
<応神天皇さまの物語 あらすじ>
第十五代応神天皇さまは、皇子の大雀命の願いを聞き入れて、天皇の妃候補であった髪長比売を譲られました。
また応神天皇の御代には、海部、山部、山守部、伊勢部と、産業を定め、朝廷の力が強くなりました。
海を越えて、新羅や百済との交流も盛んになり、優れた文人や、優秀な技術者たちも渡来して、海外から新たな技術や知識も伝来してきます。
須須許理の美味し酒
百済の王、照古王は、手人韓鍛とよばれる、朝鮮の鍛冶の優れた技術者である卓素と、呉の国の機織りの西素の二人を献上してきました。
また、酒を醸造する名人の仁番、またの名を、須須許理たちも渡来してきました。
これは、やがて秦造の祖先、漢直の祖となる人です。
この須須許理が、宮中で、応神天皇さまに、醸造した大御酒を献上したときのことです。
ここに天皇は、その大御酒を飲んで、ほろ酔いになり、ううきとした気持ちになられて、御歌を詠まれました。
須須許理が
醸みし御酒に
我醉ひにけり
事無酒 笑酒に
我醉ひにけり
須須許理が醸した御酒に
私は、すっかり酔うたよ
これは、無事平安をもたらす酒
笑いをもたらす愉快な酒で
すっかり、酔ってしもうたよ
なんと、楽しそうですよね。
ほろ酔いになって、幸せな心地に酔われたようですね。
いいお酒ですね。
でも、このお話には、続きがあります。
酔っ払いにはかなわない?!
応神天皇さまは、あまりに美味く愉しい酒でほろ酔いになり、御歌を詠まれたあと、ほろ酔い気分のままおでかけになったのです。
そして大和から河内へと超える坂に到りました。
道の中ほどに、それは大きな石があったのです。
天皇さまは、手にされた御杖で、その大きな石を打とうとされます。
すると、なんてことでしょう。
大きな石が、驚いて、走って逃げだしたというのです。
そこからできた諺が
「堅石も醉人を避く」
どんなに硬い石でも、酔っ払いにはかなわない……ですって(^^)。
ちょっと、微笑ましいお酒のお話でしたね。
今は、なかなかお酒も飲みにいけませんが、愉しい美酒で平和で笑えるといいですね。ではまた次回!今日も一日皆さま愉しい日でありますように!
―次回へ
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