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別れの恋歌 愛された誇り仁徳天皇十 神話は今も生きている ことの葉綴り六八七
財運によい「己巳の日」
おはようございます。一月十六日の日曜日、六十日に一度の「己巳の日」です。弁財天さまのご縁日! 金運・財運に良い日です。
暦は、六曜は「先勝」で午前が吉。先んじることで幸を勝ち取る日。十二直は「定」で、物事の善悪が決まる日。種まき、引っ越し、開店、開業、婚礼の取り決めに吉。
二十八宿も、大吉の「房」で、婚礼、引っ越し、開店、旅行、建築、衣類の新調、ご神事、法事、お参りなどすべてよし💛。
そして、婚礼によい「母倉日」は、母が子を育てるように、天が人を慈しんでくれる日とされます。
ご神事にいい吉日「神吉日」もと吉が続きます(^^)
皆さん、寒いですが、楽しく佳き日曜日をお過ごしくださいね。
午前中に、お参りなどいかがでしょう。
そして早速、神話の物語に入ります。
<ことの葉綴り>全体のご案内
「ことの葉綴り」は、神話の物語を、神代から神さまごとに20の「マガジン」に分けて、すべて読めるようになっています。
最新は「神話20 八幡大神さまこと応神天皇さまの物語 」です。
別れの恋歌
第十六代、仁徳天皇さまは、嫉妬深い皇后、石之日売命に、「淡路島へいく」と仰って、吉備の国の黒日売へと逢いにでかけました。
畑で、愛しい黒日売と共に青菜を摘んだことが、とても幸せだったようで、そのことを御歌に詠まれました。
吉備の国で、黒日売との満ちたりたひとときは、あっという間に過ぎていったのです。
天皇自ら、吉備の国まで逢いにきてくださったことを、黒日売もとても、嬉しく思っていたようです。
いつまでも一緒にいるわけにはいきません。
天皇は、大和へと戻る日が来てしまいます。
ついていくわけにはいかない……。
黒日売は、都へと還っていく天皇に向けて、次のような歌を詠みました。
倭方に
西風吹き上げて
雲離れ
退き居りとも
我忘れめや
大和の国へと
西の風が吹き上げて
雲がちりぢりと離れてしまうように
あなたと私も、遠く離れ離れになってしまったとしても
私は、決してあなたのことを忘れませぬ
愛された誇り
黒日売は、恋心を正直に歌に詠んだのですね。
さらに、続けて……。
倭方に
往くは誰が夫
隱水の
下よ延へつつ
往くは
誰が夫
大和の国のほうへと
往くのは、誰の夫なのでしょう?
隠処(こもりづ)の隠れ水のように
秘かに心を通わせて
人目を忍んで、先へ先へと往くのは
どなたの夫なのでしょう。
それは、ほかならぬ、私の夫なのです!
おお~黒日売さんもやりますね~(^^)
皇后さまの激しい嫉妬と怒りの炎により、別れを余儀なくされ、船から降ろされて、歩いて吉備の国まで戻ってきたときは、心の傷も深かったでしょう。けれど、天皇さまが自ら吉備国まで逢いにきてくださったこと。
愛されている、それを実感したとき、女はツヨくなりますね(^^)
この後、黒日売さんがどうされたかは、綴られていませんが、きっと、愛された誇りを胸に生きていかれたのではないでしょうか……。
仁徳天皇さまの物語、恋物語がまだあるのです。
―次回へ
#みんなでつくるアルバム
#古典がすき