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私の本棚をつくりましょう(幼少期編)
心に残っている本を集めて、私だけの本棚をつくれたらいいな。
そう思ったのは、箱根本箱で様々な人が選書した本棚を見かけたのがきっかけ。
「ああ、こんな本を読んでいたんだ」
自分も読んだことがあると嬉しくなって、もちろん読んだことがない本もたくさんあって。
当たり前だけど、読書歴がまったく一緒の人というのはきっと存在しないはずで、その果てしなさに思いを馳せた。
だからこそ、人の心の中にとどまりつづける本と、本に紐づけられた思い出は、その人をかたちづくる大切な一部になっているはず。
本のどこに惹かれているのかまで言葉にすると、型通りの自己紹介なんかよりも”その人らしさ”がにじみ出るのではないだろうか。
そこで、「#そのみの本棚」と銘打って、心に残っている本をつぶやいてみることにした。
まずは、物心ついた頃から大体10歳までに読んでいた絵本・児童書から。
10冊選んだところ、こんなラインナップになった。
『ももいろのきりん』中川李枝子さん
『いやいやえん』中川李枝子さん
『ちいさいモモちゃん』松谷みよ子さん
『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネットさん
『アイヴォリー』竹下文子さん
『コブタの気持ちもわかってよ』小泉吉宏さん
『14ひきのあさごはん』いわむらかずおさん
『シートン動物記1』アーネスト・トンプソン・シートンさん
『おしゃべりなたまごやき』寺村輝夫さん
『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤洋さん
『ももいろのきりん』中川李枝子さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 2, 2025
好きな色は水色、好きな動物はねこ。それなのになぜか"ももいろのきりん"は私の中でずっと特別だった。
主人公るるこちゃんのまっすぐでキュートで勇敢なところが、子どもながらにまぶしかったのを憶えている。#そのみの本棚#お気に入りの本
『いやいやえん』中川李枝子さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 3, 2025
真っ赤な表紙に男の子とこぐま、という表紙からしてかわいい。
おともだちとの全力ごっこ遊びが好きだった。
なんでもないことも全部挑戦で冒険だった。
そんなしげるちゃんと、この物語の中で一緒に遊ぶのが好きだった。#そのみの本棚#お気に入りの本
『ちいさいモモちゃん』松谷みよ子さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 4, 2025
あたたかい家族の中で、
のびやかに育つモモちゃん。
私はまだこどもの一員だった頃から
「ちいさいこども」という存在に、
愛おしさを感じていたように思う。
出版から60年経つけれど、
モモちゃんのかわいらしさは健在。#そのみの本棚#お気に入りの本
『エルマーのぼうけん』 ルース・スタイルス・ガネットさん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 6, 2025
見知らぬジャングルで、リュックに詰めた日用品(決して剣や盾なんかは出てこない)を駆使して。
大事な目的のために、ちょっと恐そうな動物とも渡りあっていく。ハラハラドキドキをエルマーと共にした。#そのみの本棚#お気に入りの本
『アイヴォリー』竹下文子さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 7, 2025
幽霊になった女の子が主人公。
名前はアイヴォリー。
劇的な何かが起こるわけではないけれど、
ふわりとした空気感をまとう彼女の日々は
淡く光って目が離せなかった。#そのみの本棚#お気に入りの本
『コブタの気持ちもわかってよ』小泉吉宏さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 8, 2025
おじいちゃんが買ってきてくれて
あ、おんなじだ、と思った。
まわりの大人を困らせたくなくて、
本当の気持ちは自分の中にしまった。
でも、やっぱり、わかってほしいから…
コブタさんをヨシヨシってしたくなる。#そのみの本棚#お気に入りの本
『14ひきのあさごはん』いわむらかずおさん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 10, 2025
同じ1ページの場面でも、
ねずみのきょうだいさんたちが
ちょこっとずつちがう仕草をしてる。
それがくすっと笑えて。
ひたすらかわいい、ひたすらほのぼの。
細部までつくり込まれてる作品に
惹かれるようになった原点。#そのみの本棚#お気に入りの本
『シートン動物記1』アーネスト・トンプソン・シートン
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 11, 2025
私が出会ったのは、青い鳥文庫にて。
動物たちの息づかいが聴こえてくるような情景描写と、彼らの「思い」が胸に迫る心理描写に、圧倒されてしまう。
動物への敬意と愛情がこの作品を生んだのだとわかる。#そのみの本棚#お気に入りの本
『おしゃべりなたまごやき』寺村輝夫さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 13, 2025
ぼくは王さまシリーズの中で一番心に残っている一冊。
王さまたちが繰り広げるどたばた劇が好きすぎて、人形劇まで観に行ったくらい…。
和歌山静子さんのイラストがなんともかわいらしい。#そのみの本棚#お気に入りの本
『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤洋さん
— そのみ@本が好き (@kotonoha_nosete) January 14, 2025
猫に思い入れのある家族だったからか、
自然と本棚に猫の物語がふえていった。
強くて、かっこよくて、近寄りがたいけど、実は人情深くて。
イッパイアッテナみたいな先輩と出会えることは幸運でしかない。#そのみの本棚#お気に入りの本
・・・ざっと眺めてみる。
「かわいい」「じぶんにしょうじき」「ちょっとぼうけん」みたいな本が好きだったのね、私。
あとはリアルなものから空想上のものまで含めて、「人ではない生き物」を描いている本も。
三つ子の魂百までと言うけれど、おとなになった今も同じようなものに惹かれている節はある。
そして、この本たちをもりもり読んでいた、小さかった頃の自分を振り返ると、その当時からすでに心というものに興味を持つ子だったことに気づく。
ひとも、動物も、幽霊も、なんならたまごやきだって。彼らなりの気持ちや考えをもってこの世に存在している。そういうものだと思っていた。
(のちに、アニミズム思考という名前がつけられていることを知って、まさしくこれだ!と思った)
何を考えているんだろう? 何を感じているんだろう?
こう思ったのかな? ああ思ったのかな?
え!こんなふうに思うこともあるんだ。
私は、なったことがない気持ちだ。
そんなことばかり思いを巡らせていた。
相手の気持ちをわかりたいという願いを、知らず知らずのうちに本の中に求めていたのかもしれない。
どちらかというと、気持ちを口にしない親のもとで育ったので、余計に。(今となっては、そういう自覚がある親だから本をたくさんまわりに置いておいてくれたのだと想像する)
相手が何を考えているかは私にはわかり得ない。その意味でお互いに100%わかり合うことはないし、わかった気になっては決してだめなんだけれど。
それでも、相手や、相手の生きる世界のことをほんの少しでもわかりたい。
私が本を読んできた原動力はここにあるのかもしれない。
いつか、誰かの心に、一歩近づける手がかりを探して。いつまでも本を読み続けるのだろう。