そのみ

ねむる前に、ちょっと読んで、ふくふくと幸福な気持ちになれるもの。そんなちいさなエッセイみたいな文章を置いておきたい。 本と、旅と、ごはんが好き。最近は、短歌も好き。都内で夫婦ふたり暮らし。文学フリマ東京39に出せるといいな。

そのみ

ねむる前に、ちょっと読んで、ふくふくと幸福な気持ちになれるもの。そんなちいさなエッセイみたいな文章を置いておきたい。 本と、旅と、ごはんが好き。最近は、短歌も好き。都内で夫婦ふたり暮らし。文学フリマ東京39に出せるといいな。

最近の記事

『だめをだいじょぶにしていく日々だよ』きくちゆみこさん|読書ノート

なんてやさしいタイトルなんだろう。 先日、三軒茶屋の本屋twililightさんに訪れて、無事おうちへ迎えることができた。 アナログの本の手ざわりや、区切りや限りがある感じは、まさにbe here nowな安心があってほっとする。 この本が、「いま手元に置いておきたい本のはずだ」と、私にとってぼんやりと光ってみえた理由はなんとなくわかっている。 だいじょぶが、次々と、だめに変わっていくような日々の途上にいる、からだ。 その核にある出来事は、現在進行形の痛みや傷つきを

    • 江國香織さんの世界

      一番好きな作家さんを挙げるなら、私の場合は「江國香織さん」。 たしか初めて読んだのは、中学生の頃に『すいかの匂い』だったかな。 文庫の装丁はすうっと透明感のある涼やさがあって、でも短編の中身はぞくりとするような仄暗い美しさ、というギャップが印象的だった。 その後、艶っぽい恋愛の配分が多い作品も読んだし、むしろそういった色が薄い作品も好んで読んだ。小説にしろ、エッセイにしろ、江國さんの作品は読んでいて贅沢な気持ちになれるところが特に気に入っている。こっくりして口溶けのよいレ

      • 読書に浸るための場所

        都内でゆっくり本を読むならここ、というお気に入りの場所がある。 家のベッドが一番落ち着くのはもちろんなのだけれど、せっかくなら空間も気分も読書に浸りたい…という休日にはこの3つにお世話になっている。 文喫(六本木) https://bunkitsu.jp ・半日くらいはがっつり読書したい ・手持ちにすぐ読みたい気分の本はない ・たくさん、いろいろ、読みたい できたばかりの頃から定期的に通っている。開放的で広々とした店内に、ずらっと並ぶ本棚は壮観。一人がけソファをゲッ

        • 短歌と出会う

          思えば短歌をはじめようと思ったのも、受け身に近い偶然だった。 好きなブックカフェのひとつに、池袋の「梟書茶房」がある。 広い店内に、あたたかい飲み物、甘いメニューが充実していて、 会話のある空間に溶け込んで、くつろぎたいときにぴったりだ。 店内で読める本もバラエティに富んでいる。 私は大きくて重厚感のある写真集を選んで眺めるのが好きだ。 (えっこらえっこら大判の本を席に持ってくるのには少し勇気がいる) そんなブックカフェとしての使い方だけではなく、 お店に入ってすぐの入

          いつか、本を書く日。

          大学の卒業旅行で、私は”とある予言”を受けたことがある。 25歳。1浪して入った6年制大学を卒業する歳のこと。 大学の友人たちとアメリカのグランドキャニオン周辺をめぐる卒業旅行だった。 どこまでも赤褐色の大地、美しいカーブを描く地層、広すぎる満天の星空、 どの景色もそれは印象的だった。 だけど、心にずっと刻まれていたものは別にあった。 セドナ、という街で、事は起こった。 どうやらアメリカ随一のパワースポットらしい。 ガイドさんも、この空気感わかるよね?、と自信気である。

          いつか、本を書く日。