小さい人類など
やはりこの地球は面白い。
かつてこの地球上には、我々とは別の小型の人類がいたのだ。
身長は1メートルあまり。愛称は「ホビット」。我々サピエンスとは異なる人類でやけに小さい人類だ。
会いて~!是非とも会いたかった!
そして、そこには小型の象がいた。
高さは大人の象で1.5メートル、現在小6のうちの娘と同じ高さだ。大きさとしては牛程度であろうか。
象なのに、ち、小さい。
大人の象で大きさが牛程度なら、子供の象なんて犬くらいだったんじゃね?と思ってしまうではないか。
犬くらいの子象、み、見たい。
一方で、そこには一部の鳥マニアに人気がある「ハゲ散らかった鳥ハゲコウ」もいたのだが、そのハゲコウが2メートルに達するデカさになっていたとか!
デカいハゲ散らかったハゲコウ、た、たまらん。
これらは全て、かつてのフローレス島の話なのだ。
フローレス島は、インドネシア南東部の小スンダ列島を構成する島の一つだ。
そのフローレス島にはかつて、我々サピエンスとは異なる系統の人類、フローレス原人(ホモ・フローレシエンシス)がいたのだ。
いや~ロマンあるな~!
以前書いた記事「我々の祖先は、他の知的生命体と戦争をしたり、おセックスしたりしていた」にもフローレス原人についてはちょろっとだけ触れたが、こ~ゆ~話はホント~に面白い!
かつてのこの地球上には我々サピエンスの他に別の人類があちこちに居たという事実はやはりアツい。しかも、今回取り上げるフローレス原人、やけに小さい!
でもって、なぜ小さいのかという話だが、これは島嶼化(とうしょか)が原因だという。
島嶼化とは「島の法則(Island Rule)」とも呼ばれ、このことをざっくりと説明すると、大陸にいた生き物が島で進化すると、デカい生き物は小さくなり(大型生物は矮小化する)、小さい生き物はデカくなる(小型生物は巨大化する)という進化の傾向のことだ。
デカい生き物については、その餌だの資源だのに限界値がある島では代謝等の点で小さい方が有利だったり、また、小さい方が早くに成熟して子孫を残せたりして有利らしいのだ。
なので、体が縮小するような選択圧が働くと考えられ小さくなるわけだ。
一方、小さい生き物については、天敵である捕食者が少ない為に食われる心配が減り、捕食者の目を逃れるための小さな体を維持する必要がなくなるのだと。
それに、大陸と比べたら他の生き物との競争も少ないしみたいな。よってデカくなる。
そ~いった島特有の環境が、フローレス原人という小さい人類や小さい象、デカいハゲコウなんかを生んだわけだ。
大型の肉食の生き物がいなかったのがその大きな原因であったりするのだろう。
この島での人類は(といっても我々とは別系統の人類だが)、ネアンデルタール人のように屈強な肉体がなくてもこの島では問題なかったし、むしろ、小さい方が色々と都合が良かったのだ。
いやいや、進化の話ってのはホント~に面白い。
因みに、フローレス島には「エブゴゴ」と呼ばれる毛深い小さな人々の伝説が遥か昔からあるのだ。
エブゴゴは色々ないたずらをしたり、農作物を盗んだり、時には赤ちゃんを拐うなんてこともしたとか。
で、怒った村人がエブゴゴの住みかを焼き払ったみたいな話なのだが、これって「我々サピエンス VS フローレス原人」みたいな実話が話の元ネタなんじゃね⁉とか思われ、かな~りアツい。
てか、我々サピエンスの方が後からフローレス島へ来たのだろうと思われ、フローレス原人ちょっと可哀想じゃんと思ってしまうわ。
そして、このフローレス島、現在でも面白い生き物が沢山いる。
まずアツいのは、世界最大のトカゲであるコモドオオトカゲが生息していること(コモド島の方が有名なのかも知れん)。
コモドドラゴンとも呼ばれている体長3メートルのそのビジュアルはかな~りそそられる。
で、噛みついて毒ぶっ込むとかどえらい。
そして、昆虫好きにはたまらんギラファノコギリクワガタについては、フローレス島に分布しているのが1番デカくなるらしく、体長は120ミリメートルにも達するとか。
いや~、生き物の進化の話とかがわりと好きなので、ガラパゴス諸島と並んでフローレス島にも是非とも1度は行ってみたいものだ。
ところで、島嶼化の話だが、日本人が昔やけに小さかったのは、ひょっとして島嶼化?なんて思ってしまうのだが、どうなのだろうか。
昔の鎧兜とか見ると、ちっちぇえな~とか思ってしまうし。
昔の武将って案外ちっちゃくね?みたいに思えるのは、我々日本人の祖先は進化上小さい方が有利に働いたからなのではと思ったりしてしまう。
実際はその辺りホントどうなのだろうか。
研究者の皆さんを今後も応援したいと思う。