戦いは終わり、世は明けた。

戦いは終わった。
戦いは終わった。
一番どりが鳴き、
人食いトロルは力を失い
やがて寝床へ還るだろう。
暗闇で恐れていた人々は
力を取り戻し喜びに震えるだろう。

戦いは終わった。
戦いは終わった。
柔らかな朝が来る。
朝日が昇り、鳥が鳴き始め、花が歌うだろう。
固くした体を緩め、大きく息を吸うがいい。
頬に当たる朝日を感じ、確かめるがいい。
もう大丈夫なのだと。
もう大丈夫なのだと。
夜は明けて、朝日が昇るのだと。

朝日が昇る。
朝日が昇る。
そして穏やかな昼がやってくる。
光り輝く緑に心奪われ、
花咲く生き物の喜びを感じるがいい。
ひとみの奥に深くに、互いに湛えた光を見出し
人々はやがて思い出すであろう。

太古の昔、踊りあかした大地を。
歌い明かしたそのリズムを。
そして交し合った喜びの響きを。
そして力を取り戻すがいい。
無限に秘めた宇宙の力を思い出すがいい。

創り出すがいい。
創り出すがいい。
喜びに満ちた暮らしを。
命を味わい尽くし響き合う暮らしを。
朝日を浴びてたおやかに歌う木々たちとともに。
澄んだ光を浴びて高らかに歌う鳥たちとともに。