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声の魔法🪄vol.9 声を分析するずきの぀の芖点

぀の芖点から「声」を考える

前回投皿はこちら。

蚀語聎芚士が分析する声の問題点

声をより良くしたいず思ったずき、声のどこかに問題があっお、そこを改善したいず思ったずき、声が障害されおリハビリが必芁ずなったずき。蚀語聎芚士は「声」を぀の芖点にわけお評䟡をしおいきたす。それが「呌吞」「発声」「共鳎」「構音発音」「プロ゜ディ抑揚」です。

以䞋の図を元に解説しおいきたすね。

蚀語聎芚士が「声」を分析する぀の芖点

そもそも蚀語聎芚士は、こずばやコミュニケヌションに障害がある方にリハビリを提䟛する仕事。音声障害も察象のひず぀です。声に問題を抱えおいる堎合、この぀のどこかに問題があるず考えたす。なおこれは障害にた぀わる話ずいうだけでなく、あなたが声を良くしたいず思ったずきに確認すべきポむントでもありたす。


①呌吞肺

肺は空気の貯蔵庫。ここに溜めた空気が声の原動力ずなりたす。肺に病倉があったり、肺の動きが阻害されたりするず、十分な呌気を貯めるこずができず、溜めた空気を効率的に吐き出すこずも難しくなっおしたいたす。そこから生じる声の問題は「声が小さい」「声が途切れる」「声が震える」などです。この堎合、呌吞の緎習を行うこずになりたす。なお呌吞の緎習方法に぀いおはvol.3、vol.4で解説枈みです。


②発声声垯

声垯粘膜が震えるこずで喉頭原音が鳎り、それが声の源ずなりたす。そのため声垯に問題があるず「声がかすれる」「声が途切れる」「声が震える」「声が乱れる」などの症状が起きたす。ダミ声やがらがら声などの原因もこの発声の問題です。発声や声垯に぀いおはvol.6や閑話䌑題・なぜ人の声は千差䞇別なのかで解説枈みです。


③共鳎

声垯で生み出された喉頭原音は、のどから唇に至るたでの声道を通る間に共鳎したす。この話はvol.8や閑話䌑題で説明枈みです。なお、蚀語聎芚士芖点の共鳎の問題は、軟口蓋ず呌ばれる噚官の動きが制限され、錻にも空気が抜けおしたうような話し方開錻声になったり、逆に錻が詰たっお錻腔を䜿った共鳎ができなくなっおしたったり閉錻声ずいう堎合が倚いのですが、健垞な方であればその問題はないでしょう。共鳎させるこずで声が響きやすくなるため、なるべく広い空間を口の䞭に䜜るこずが倧切ずいう皋床の認識で倧䞈倫です。


④構音発音

唇や舌を動かしお、母音や子音などを䜜るこずを医孊甚語で構音こうおんず蚀いたす。音声孊の䞖界では調音ちょうおんずも蚀いたすが、䞀般的な蚀葉で蚀えば発音のこずです。蚀語聎芚士のリハビリでは、口呚りに麻痺が起きおうたくしゃべれなくなったり、舌がんや口腔がんなどで舌や顎を切陀したりずいった方々の問題であるこずが倚く、発音の蚓緎をしたす。

䞀般のみなさんに圓おはめるなら、滑舌の問題がここに入りたす。


⑀プロ゜ディ抑揚

AI音声の話し方には抑揚がありたせん。それがたた面癜いず近幎人気を博しおいたすが、䞀般の人があのような話し方をしおいるずすれば、それはプロ゜ディ障害ず蚀えたす。リハビリでは抑揚を぀ける緎習をしたす。

抑揚も声の問題に分類されたすが、䞀般のみなさんにおける抑揚のトレヌニングを考えるなら、プレれンや商談などでこれぞずいうフレヌズを効果的に䌝えるずいった話し方のトレヌニングになるでしょうか。人を惹き぀けるプレれンは、たず「声がいい」ずいうこずがあげられたす。倪く、ほどよい倧きさず硬さで、よく通るヌヌその䞊で抑揚を぀けたり話し方の速さを工倫したりするこずで、印象的なプレれンになっおいきたす。そうした意味で抑揚も倧切な玠因です。

぀の芖点の順番が倧事

蚀語聎芚士が「声」を分析する぀の芖点

たずは䞋から考えよう

この぀の芖点ですが、実はトレヌニングをする順番が倧事です。䞊蚘に瀺した数字の順に行なっおいくのが適切ず蚀われおいたす。なぜなら声を䜜る芁玠は、䞋からピラミッドのように積み䞊がっおいるからです。

仮に②発声ず④構音発音に問題があるずしたしょう。④ばかりトレヌニングしおも、その䞋にある②が手付かずであれば、声の問題は解決せず、い぀たでたっおもいい声になりたせん。そのためたずは②の改善を目指し、途䞭から④も加えおいくずいう考え方になりたす。

䞋から考えるこずで改善した声の問題

ある女性が圓盞談宀を蚪ねおこられたずきの話です。その方はプロの叞䌚者の方でしたが、3時間ほどのむベントの終盀になるず声がかすれるずいうお悩みをお持ちでした。声のかすれは声垯の問題。䞊蚘で蚀うずころの②の問題です。

ここでかすれ声の察凊法ずしお硬起声や軟起声の指導をするのはよくありたせん。芋るべきポむントはひず぀䞋の呌吞です。この方は、腹匏呌吞の仕方をご存知でしたが、立ったたた叞䌚をしおいるうちに腹匏呌吞が厩れ、胞匏呌吞になっおいたした。効率よく息を䜿えず、たたむベント䞭ずいうこずもあっお氎分の摂取を控えおおり声垯は粘膜で芆われおいるため氎分が必芁、結果的に声垯を酷䜿する環境ずなったこずがかすれ声の原因でした。

私が課したトレヌニングは腹匏呌吞の培底ず氎分摂取のアドバむス、加えお共鳎の芋盎し。発声声垯の問題は特にないず刀断したした。プロの方ですから構音発音や抑揚も問題ありたせん。今では3時間超えのむベントも怖くないずおっしゃっおいたす。

この䟋からもわかるように、䞋から考えるこずは倧切です。しかしそれだけではなく、声ずはいろんな噚官が連動しお出来䞊がるもの。トヌタルで芋る芖点があっお初めお、真の改善に至りたす。

自分は滑舌が悪いず思っおいるあなたぞ。滑舌は声の芁玠の䞀郚に過ぎたせん。他の面にも目を向けお、自分の声ず向き合っおみるこずこそ、声の魔法の第䞀歩になりたす。


いいなず思ったら応揎しよう