外国人嫌悪。煽られ注意!!安易に断罪、傍観者とならないように。
この間目に入ったワイドショーで、危ない!煽られ注意!!と感じたことがあったので、自戒を込めて書き残したいと思います。
取り上げられていたのは、奥多摩などの河原でのマナー違反についてでした。
大半は外国人で、禁止のテント持ち込み、大音量で音楽を流す、直火でBBQ、木を折って薪にする、そしてゴミを放置……などなど、無法地帯と化している、と。
これはあまりに酷い……と、さすがにムッとしたんですが、正義感に駆られ彼らを全て敵とみなすレバーを一気に下げそうになった自分を、すんでのところで抑えました。
めっちゃ簡単に煽られてるやん、自分!!と気づき、落ち着いていろんな方向から物事を見ないといけない、と思い直しました。
ルールがきちんと伝わっていない場合がある
日本語で書いてあっても、商品やサービスの広告、パンフレットを見ると、文字がビッシリでよく分からない……ってありませんか?
内容を盛り込み過ぎて、何が重要なのかよく分からない場合や、クレームを恐れるあまり事細かに説明を書き過ぎて、余白が減りとにかく見づらい、もあるあるだと思います。
外国人の場合、ここに言語、レイアウトやデザインの違い、さらには文化のバリアも加わるので、上手く伝わっていない場合が多々あると思われます。
レイアウト、デザインの違い、文化のバリア
海外から帰国した際に空港で、あー、日本に帰ってきたなぁ!と思うのは何故だろうと考えた時、まず目に入る、このごちゃごちゃの看板類が大きい気がする、と気づきました。
次の旅行では街中の広告などを観察してこよう!と思い、2019年にエディンバラに行った際に、いろいろ写真に収めてきました。
国によってまた地域によって全然状況が違うので、一概には言えないですが、一般的にやはり欧米はシンプルな印象です。(アジアのカオス感も魅力の一つな訳で、優劣をつける話ではありません)
日常で出くわす広告類を見ていて、対照的・特徴的だと感じたものを撮ってみたのですが。
観察していて気付いたことは、
マナー広告が多い
擬人化、キャラクターが多い
縦書き横書き混在
といった理由と掲示量から、見た目がうるさくなり、また、大量に記載があることで、特に外国人にとっては、重要な情報が分かりづらくなるという問題はあると思います。
日本では、コンビニやカフェなどの店舗外にチラシ他が規則性もなく大量に貼ってあるのをよく見かけます。
アジアではこのごちゃごちゃ感、よくありますが、欧米では少なく、余白が多い印象です。
また、例えばマナー広告で漫画仕立てになっているのを見かけますが、狭いスペースに縦書き横書き混在はかなりハードルが上がりますし、漫画の読み方(コマの順)に慣れない人もいる、と英語の先生に言われた時はなるほどなぁ、と膝を打ちました。
建物外観や案内表示、運営のローカル・個別ルール
以前美術館でアルバイトをさせていただいた際、Museumの文字が小さく、建物自体が美術館だと認識されず、公共施設と勘違いして無料入館しようとする外国人が多くいました。
また、チケットブースと記載されていない(書かないという運営方針)だったため、チケット購入に並んでいる日本人の後ろを黙って通り抜け、無料で入館しようとしてしまう、なんていうこともありました。
入場料が無料の美術館もありますし、本人が美術館というものに対して持っている認識によって、悪意なくそういう行動を取っていることも多いみたいなんですよね。
そんなの分かるだろう、分からなければ聞くだろうと思うのは、長年この国の文化やルール、表現方法に慣れているからであって、向こうから見た時にどう映るかという視点を持って運営されているところは少ないのでは、と思います。
こういうことから、きちんと書いてあるのに守らない!悪質!と決めつけ、嫌悪感丸出しで事に当たると、実は純粋に知らなかっただけ、という相手までも刺激し、敵対関係になって状況悪化となり得ます。
空気を読み、人に合わせるを期待する日本人。ルールに対する感覚の違い
もう20年以上前になりますがオーストラリアでワーキングホリデー中、衝撃を受けた出来事がありました。
ハウスキーパーとして、ローカルの人達や他の国からのワーキングホリデー参加者と一緒に働いていた時です。
働いていたホテルの食堂でランチを取っていた時、皆がお盆ごと食事を建物外に持ち出して、屋外で食べていることに気づきました。
その時に、もしここにいるのが日本人ばかりだったら、多分誰も外に持ち出したりはしないだろうと驚きました。
日本人なら、お皿やカトラリー類を食堂から持ち出すなんて、通常ルールから逸脱している、と感じるでしょうし、他の人がしていない、変なことをすると浮くだろう、という心理が自然に働いて、例え持ち出し禁止と書いてなくても食堂内で食べるだろうと思いました。
この点、日本人同士のような同調圧力が少ないので、マナー感覚がゆるく、”何かまずかったら注意されるだろう”“禁止されるまでOK”という、日本の感覚とはまさに逆なんだと気づきました。
だからこそ革新的な技術が生まれるという面がある。この感覚は日本で育つと育まれないと思いました。
マナーが厳しい日本で彼らの文化を受け止めるには、罰則などを含め最低限のルールはしっかり決めざるを得ないのでは、と思います。
1人1人の良識に任せて…という日本スタイルでは通用せず、残念ながらこの自由さのマイナス面が発揮されてしまうと想像します。
同調圧力の悪影響
以前の職場の同僚が口にした「日本人って、本当に人をたしなめるの好きだよね」という言葉を時々思い出します。
ムラ意識が強く、自分達の”普通”からはみ出たものを見つけ出し、徹底的に叩く風潮がある。
海外に出ると一気に気持ちが楽になるのは、目に見えないこういう縛りから解放されることが大きいんだろうなと思います。
煽られない、かつ傍観者を決め込まないために
全く異なる背景を持つ人達に、必死で空気を読んで、輪を乱すことは一切するな、と問答無用で押し付けることは違うんじゃないか。
とはいえ、こちらの文化や価値観に土足で入り込まれたり、自国ルールをそのまま持ち込み強引に根付かせるような行為は、それもまた許容できない。
日本語が分からないフリをしてルール違反を押し通すなど、”外人スマッシュ”と呼ばれる行動を取る人もいますし、相手の自発的な行動に期待するだけでなく、言うべきことははっきり言うという姿勢も必要となってくるだろうと思います。
マンションコンシェルジュとして働いていた際、欧米の入居者様から室内のインターネット不具合解消を求められたことがありました。
共用部の不具合であればオーナー対応となるが、他の居室から不具合の報告がないところから居室内の原因の可能性が高く、居住者責任となる旨を伝えたところ、トラブルになったことがありました。
英語での詳細説明や交渉に疲れた上司が、今回のみポケットマネーで負担する寸前までいきましたが、私は納得がいかず、今後のことも考え、再度交渉をさせてほしいと申し出ました。
状況を再度細かく説明し、有償で業者を紹介する旨お伝えしたところ、「私の国では…」と仰ったので、ここは譲ってはいけないラインだと感じ、「日本では、こういう対応になります」とニュートラルに、でもきっぱりと伝えたところ。
想定外の返答だったようで、一瞬止まった奥様でしたが、ご主人と再度相談する、とその場を去られました。
言い過ぎたかな…でも対応としては間違っていない、とモヤモヤしていたところ、翌日奥様にお会いし、思わず顔色を窺いました。
すると、「おはよう、レリーナ、今日はどう?」と話しかけてくださって、本当にビックリしました。
というのは、その時点で既に数年働いていましたが、ファーストネームで呼ばれたのは初めてで、覚えていてくださったことも驚きでした。
インターネット不具合についても、こちらの提案通り居住者負担で業者対応となりました。
以降ずっとファーストネームで呼ばれるようになり、この事件がきっかけで、主従関係は変わらないものの対等に見てくださるようになったと感じました。
国や自治体の法律や制度改革も重要ですが、結局ぶつかるのは個人同士、現場で起こるので、一人一人が、周りに煽られてもそれに気づき軌道修正するリテラシー、寛容さ、深い思考、想像力、強い意志と行動力が必要なのではと感じています。
精神面での成熟を高め、総合的な人間力を養っていきたい、と思っています。
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