見出し画像

”相手に期待しない”を成功させるには?

以前職場の人間関係トラブルで悩んだ際、人に振り回されないようにするためには、”相手に期待しなければいいんだ”と思い至ったんですが、その難しさに気付いた時、答えを見つけたかもという喜びが、一瞬にして脆く崩れ去ったことを覚えています。


”相手に期待しない”の難しさ

“相手に期待しない”ってすごくシンプルな解決方法なんですけど、自分の感情処理が絡んでくるので、実際にはめちゃくちゃ難易度が高いんですよね。

“期待しなければいい”という答えに辿り着く原因となるトラブルは、自分にとってどうしても許容できないことについて、何度もいろいろ対策を行ってもダメだったり、自分や大切な人が迷惑を被ったりしている状況も多かったりするので、「期待しない…」「期待しない…」と呪文のように言い聞かせても、ものの10分でギブアップ、なんてこともあるあるじゃないかと思います。

散々悩んだ日々から解放され、様々な経験をした今、振り返ってみると大きく2つの改善点があるなと思っています。

改善点① 人を見る時の心の姿勢(思い込みを持たない)

しばらく前に、たまたま目に入ったドッキリ番組に、ある女性芸人がターゲットとして出演されていました。

彼女の言動の拙さや、会話のタイミングのズレなどが苦手だった私は、それまで彼女に対して、あまり良い印象を持っていなかったんですが。

仕掛けられた後の素の彼女の態度を見て、とても誠実さを感じた私は、そこで彼女が好きになり、イメージも大きく変わりました。

これがイメージ商売と言われる所以か、人間なんて現金で調子のよいものだなと、自嘲的になりつつも、気づいたことがありました。

それは、”自分は相手についてほんの一部しか知らない。それって、知った気になっている家族や友人、同僚に対しても同じだな。私はきっと、間違いなく周りのたくさんの人についていろいろ誤解している”ということです。

これに気付いて以降、”自分は人のことを誤解しているだろう”をデフォルトに、人付き合いをするようになりました。

“相手のことを分かっている”という思いが強ければ強いほど、その人の新しい一面を見た時の衝撃が大きい。

それが自分の価値感に合うもので、肯定的に受け入れられればいいけれど、そうでもない場合は一気に火種になる。

(自分には自己中心的だと思われる)迷惑な行動があれば、「何であんなことをするのか、信じられない」と怒りが湧くでしょうし、自分と同じレベルだと思っていた人が、何か特技や長所を発揮したりする、なんてことがあれば「何よ目立とうとして」なんて嫉妬の対象になったりもする。

でも最初から「私はこの人の一部しか知らない」という思いが徹底していれば、相手の知らない一面に出くわした時に「あぁ、この人にはこんな部分があるんだ」「こういう考えを持った人なんだ」と冷静に受け止められる。

「こんな人だと思わなかった…」という感想は、相手にしたら「勝手にそう思っていただけでしょ」という話で、一方的に期待して裏切られたとガッカリする、という独り相撲はエネルギーを消耗しますし、相手の良い部分も含めて全部一気に否定することで関係にも亀裂が入りかねません。

そこから見方が変わって悪い方に積み重なり、最終的に完全に破綻、となることもよくあることでは、と思います。

改善点② ルールの捉え方や規範意識も人それぞれと心に刻む

自分の常識は他人の非常識と言われますが、本当にそうだな、と40代になって納得です。

前述の同僚とのトラブルについて、英語のレッスン中に先生に話したところ、”Game the system”という表現を教えてもらいました。

“制度などの抜け穴を上手く利用する”という意味とのことで、ルールや制度についての意識や感覚が、私と彼女では真逆なんだと実感しました。

私にとってはルールは守るもの、設けられた制度は節度を持って利用するもの、同僚同士は助け合うもの、という考えに対し、彼女の場合は、ルールはギリギリセーフのラインを守れば良い、設けられた制度は上手く使い尽くす、自分がいかに楽をするか、または絶対損をしない範囲で同僚と関わるという姿勢。

それが決定的な問題となって、あれだけ長く確執が続いたんだと腑に落ちました。

“ルールの捉え方、規範意識も人それぞれ。極論、ルールは破るためにあると考えている人もいる”と心に刻んでおけば、この人はそういう人なんだ、じゃあ要注意ね、と対策ができる。

私の場合は、自分の常識、感覚に縛られ過ぎて、かつ先輩であるという遠慮や、こちらが真面目に働き誠実に接していれば相手にも分かってもらえるのでは、という甘い見通しもあって対策が遅れたことで、自分の首を絞める結果になったとも感じています。

その人にそういう面があると分かった時点で、本当に譲れないことに対してはアクションを取るべきだった。

”人に期待しない”ということの中には、自分が行動を起こし改善に動くことも求められるということを、よくよく学びました。

”人に期待しない”には総合力が必要

ただ、アクションにもいろんな方法があって、何が功を奏すか分からないですし、その対策には“自分が何かを諦める”という選択肢も入ってくると思います。

人間関係は一筋縄ではいかないので、英語なら文法、スピーキング、リスニングなど、いろいろな方向からアプローチが必要なように、人間関係にも総合力が求められると感じています。

1人の人間として成熟すればするほど、人の良い面にフォーカスできるようになり、悪い面には執着せず飄々と生きられるのでは、と思っています。

“カラッとした清々しい人”を目指して、楽しく精進したいと思っています。

当ブログは「にほんブログ村」のランキングに参加中です。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集