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空海、新年早々ケムケムに巻かれる #85八栗寺
年末、四国八十八ヶ所霊場の第85番札所 五剣山観自在院 八栗寺へリベンジ参りをする。
そもそもで、寺社仏閣へのお参りにリベンジという感覚自体どうなのよというところではあるのだけれども、仕方がない。
1年ほど前、移住後まもなく、ご挨拶をかねてお参りした際には、遍路道のこともよく知らず、調べもせず、google先生にお任せ。最寄りの駅までは、電車で行き、その後は歩く。
目的地は、四国の観光名所の1つ。google先生が、ろくでもないナビゲーションをする可能性などあるわけがない。調べるほどのものではない、、はずである。
しかし、google先生、徒歩のナビゲーションは苦手らしい。
まずは、八栗寺にお参りするというのに、ことでん「八栗駅」ではなく、その次の「六万寺駅」を推される。
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寂れかかった住宅地を通り、微妙な細い通路へ。そして、「コレ絶対おかしいです」という林道のようなところを歩かされ、歩きには不適な車用裏参道へと繋がり、車での参拝客にブンブン抜かされ、危ない思いをしながら、八栗寺へ到着。
もう記憶も定かではないが、一度道を間違え戻ったこと、どちらの道かわかりにくく判断に時間がかかったことなどもあり、なんだかんだと六万寺駅から軽く1時間以上はかかった。
google先生、裏参道だし、なんかスッキリしないけど、一応無事に着いたよ、ありがとう。
参拝後は、かわいいケーブルカーでサクッと山を降りた。
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下車後、ケーブルカーの駅横を登っていくお遍路さんを見かけた。
おい、google。一般的な遍路道は、こっちではないのか。
それから約1年。
google先生には教えてもらえない、遍路道からのリベンジである。
今回は、当然にことでん「八栗駅」で下車。八栗ケーブル登山口駅を目指し、20分ほど歩く。表参道へと続く遍路道は、八栗ケーブルカーのすぐ横にあるらしい。
ありました↓ お寺ですが、鳥居に迎えられます。
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神仏習合の名残かと思っていたのですが、神額が「歓喜天」。
人の喜びを歓びとする天尊「歓喜天」を密教とともに、日本にもたらしたのが空海。八栗寺には、「歓喜天」も祀られているため、鳥居が建てられているそうです。
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舗装され、歩きやすい参道を、進みます。
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ケーブルカーの駅からは15分程度でしょうか。展望台に鎮座するお迎え大師に迎えられます。
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年末30日の朝9時過ぎですから、参拝客もまばらで静かにお参りできました。
無事、リベンジを果たし、よい締めくくりとなりそうです。
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しかし、
しかし、である。
遍路では、本堂の次に大師堂で弘法大師に挨拶をする。
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その大師堂前にコレである。
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よりによっての、モッツァレラ コメハットグ。
30日の朝9時、テキ屋はまだ4店舗ほど。配置からみると、これからさらに屋台は増えると思われる。
八栗寺は、初詣の人気スポットでもあるらしい。屋台を楽しみにしている方々も多くいるのでしょう。
人の喜びを歓びとする天尊も祀られている八栗寺だからこそ、なのだろうか… さすが、商売繁盛などにご利益があるとされるお聖天さま(歓喜天)である。
しかし、だからといって、大師堂前真ん前に屋台を設置しなくても、、ではある。
弘法大師は、新年早々、ハットグやら、たこ焼きやら、焼きそばやら、なんやらの脂っこい香や煙に包まれなから、多くの参拝客の祈りを受けることになる。それとも、本堂ではないので、香と煙に巻かれてスルーされるのだろうか。
まぁ、これもお寺の考え方なのだから、どうしようもない。外野がとやかくいうことではない。
ディスってはいない。
繰り返すが、決してディスってはいない。
お腹も心も満たされる1年となることを、心から願っている。
ちっさな一般人である私が願う以上に、空海も21世紀らしい香に包まれながら、生きとし生けるもののことを願ってくれているに違いない。
虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きん
「この宇宙の生きとし生けるものすべてが解脱をえて仏となり、涅槃を求めるものがいなくなったとき、私の願いは終る」
現世の人々が、解脱をえて仏となる日は、まだ遠い。
空海の願いが終わる日も、まだ遠い。
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八栗駅〜八栗ケーブル登山口駅〜八栗寺お参り〜八栗ケーブル登山口駅〜八栗駅 は、歩き慣れた人であれば徒歩90分程度。境内をゆっくり参拝する場合、2時間程度みるといいでしょう。