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平成と令和のアイドルから学ぶ、「自己肯定感」の変化。

(4分で読めます)
突然ですが、この曲知っていますか?

あたし今最上級にかわいいの!」というフレーズから始まる、今年発売のSNSでバズった(流行した)アイドルの曲です。
どれくらいバズったかというと、YouTubeのMVが1000万回再生、TikTok関連動画の総再生回数は12億回以上を記録しているくらい。TikTokは100万回再生あれば「バズった」と言えるそうなので、12億回となるとその120倍はバズってる計算になります。12億回って、何人見たんやほんま。笑

わたしは可愛い」「大好き」と、自分を認め、ストレートに伝える歌詞が印象に残る人も多いはず。
実は近年、若い世代・SNSを中心に流行している楽曲の特徴のひとつが「自己肯定感の高さ」です。
自己肯定感とは、自分を他人と比べることなく、ありのまま受け入れ、尊重する感覚のこと。以前に比べ、自己肯定感が高い曲が圧倒的に増え、人気をえています。日経の記事になるくらいに!笑


ということで今回は、アイドルから「自己肯定感の変化」について考えてみたいと思います!


○10年前の自己肯定感

約10年前の2013年、流行したアイドルの曲がこちら!

AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」です!
今のアラサー世代が10代だったこの頃は、スマートフォンが普及し、メッセージアプリ「LINE」がなくてはならないものに。SNSが定番化しはじめた時期です。翌年にはInstagramの日本語版が登場し、瞬く間にTwitterよりも登録者数が超える状態になりました。

この曲は年間CD売り上げランキングでは2位を記録し、AKB48の中でも、選抜総選挙の投票権がないCDの中では歴代2位の記録となっています。ダンスを真似して踊った人も多いと思います。こちらの作詞が秋元康氏。自己肯定感という点からわかりやすいのは2番の歌詞。

あなたにちゃんと告りたい
だけど自分に自信ない
リアクションは想像つくから
Yeah! Yeah! Yeah!
性格いいコがいいなんて
男の子は言うけど
ルックスがアドヴァンテージ
いつだって可愛いコが
人気投票1位になる
プリーズ プリーズ プリーズ オーベイビー
私も見て

恋するフォーチュンクッキー/AKB48

この頃は他人からの評価を意識し、感覚としては「自分が可愛いと認めない」「自信のある人は周りから浮く」のが女子の常識。「他人と比べるのが当たり前」の時代で、それを理由に落ち込む人も日常茶飯事のように見ていました。

雑誌でも顕著な違いが出ています。例えばティーンズ向けの雑誌「Seventeen」の表紙では、1年間のうちに「モテ」という言葉が使われていない号が3回だけ!
「モテ服」「モテメイク」「学校でモテたい」「男子のしぐさ心理分析」「恋愛カースト克服講座」など毎月のように「異性にモテる」を意識した企画が載っていました。その回数、1年間でなんと17回!!

また、「セーフ?アウト?ぶりっ子調査」「注意!自サバ女子」「コミュ力UP講座」「グループでモテるためには」などの他者との関わり方・見られ方に関する企画も多くありました。

10年前は他者からの見られ方や周りを意識すること、他者と比較することが当たり前の時代。「他人と比べることなく、ありのままの自分を受け入れる」とは、かけ離れていたと言えると思います。


○令和の自己肯定感

それに対して令和の10・20代はどうでしょうか?
顕著な例が2022年から2023年にかけて人気になったFRUITS ZIPPERの「わたしの一番かわいいところ」です。

こちらの作詞・作曲はヤマモトショウ氏。
この曲以外にも、FRUITS  ZIPPERの「NEW KAWAII」「フルーツバスケット」や、フィロソフィーのダンスの曲などを作詞されています。自己肯定感爆上げソングとして有名な歌詞がこちら!

携帯のアンテナを光らせて
それが超キュートなあの頃だって知ってたり。
っていうかアンテナって何っていってるような
わたしに
付き合ってくれるの好き、
逆にでもわたしのどこが好き?
ねえ?ねえ?ねえ?
わたしの一番、かわいいところに
気付いてる
そんな君が一番すごいすごいよすごすぎる!
そして君が知ってるわたしが一番かわいいの、
わたしもそれに気付いた!

わたしの一番かわいいところ/FRUITS ZIPPER

わたしの一番かわいいところに気付いてる、そんな君が一番すごいすごいよ凄すぎる!」と、言葉にできる!これが令和の自己肯定感!笑
他者と比べることなく、自分が可愛いと思えば可愛い。自分を素直に認められる時代に変化していることを感じさせられます。

雑誌にも大きな違いがあります。
2023年のSeventeenの表紙を見てみると、1年間で「モテ」という言葉が出てきたのが、なんと1回だけ!「モテ担〇〇の今っぽモテワンピ♡」という企画だけでした。「最高可愛いJKになる」「可愛いさ爆上げ冬服計画」「一緒にうちら最高可愛い冬にしよ」「無敵のシンJK」「青春全部やりつくす」など、自身にフォーカスを当てた企画が多かったのも特徴。
他の雑誌を見ても、系統の違いはありますが「クールさ」「あまさ」などそれぞれの雑誌の「なりたい自分」に合わせた企画が増えています。

自分自身が主体となり、「他人と比べることなく、ありのままの自分を受け入れ、尊重する」時代に変わっていると思います。

〇まとめ

この自己肯定感の変化の背景のひとつには「多様性の広まり」が挙げられます。
趣味の広がりや恋愛・結婚観などの変化で、個性を尊重する時代になりました。その結果、周りを気にせず「自分の正解・自分の幸せ」にフォーカスを当てやすくなったと考えられます。

他者と同じように自分自身も尊重できる、いい時代になったと素直に思います!人生の正解が広がった今だからこそ、自分の「好きなもの」も「自分自身」も大切に、自分の人生を生きていきたいものです。

ぜひ「自己肯定感爆上げソング」で、ご自身の自己肯定感を上げてみてください!(と、2013年にJKだったアラサーが自分に言い聞かせています!)



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