素材を活かす文章術
ブックライター 上坂徹氏
経営者や有名人など多忙な著者に代わって本を執筆する「ブックライター」の上阪徹氏さんの記事を読みました。ビジネス書を中心に1冊約10万字の本を、平均4〜5日間で書き上げるといいます。
その速さを可能にしているのが、「素材」にこだわる文章術のようです。文章を書くことへの苦手意識を払拭し、スピードを格段に速める秘訣をが書かれていました。
「素材文章術」と言われているその秘訣の前に、大切なことが書かれていました。
それは、「うまく書こうとしない」ということ。わたしがまさにそうですが、ついついうまく書こうとしてしまいませんか?うまい文章だなぁとかわかりやすいとか思われたい!と思いがちです。
そうすると、「何を書くか」ということよりも、「どう書くか」に意識を向けてしまうと言います。その結果、「何を書くか」という素材ではなくて、「どう書くか」という形容詞に拘ってしまうということのようです。
そこに書くスピードの遅さが出てきてしまうということ。
形容詞や慣用句でうまくこねくり回して書こうとしてしまうということです。結果的にそれが読みにくい文章になってしまったり、何が言いたいのかわからなくなってしまったりしてしまうと言います。
文章の素材
文章の素材というとネタを仕入れることであって、たいそうなことに聞こえますが、当然こちらも難しく考えないことが大切のようです。それはこの3つ。
事実 女性起業家 グローバル展開
数字 売上高1000億円 創業年数5年
エピソード 感動した 驚いた
「良い会社」というのは、いくら形容詞をうまく使ってもなかなか伝わらないもの。
しかし…
・創業以来10年間、増収増益が続いている
・社員の有給休暇の取得率が100%
・5年間、社員が一人も辞めていない
・社員の誕生日には、社長からプレゼントが贈られる
となれば、良い会社の雰囲気が伝わってくるのではないでしょうか?ですが事実、数字、エピソードで受け取る側の印象がこうも変わってくるのだなと感じました。
素材文章術の5つのステップ
そんな素材文章術の具体的なステップがこちら。
①書く目的と読者を定める
誰に当てているのか。よくありがちなのは、世間一般に向けた…つまり大勢の人に向けられているものです。これではなかなか伝わりにくくなります。やはりこの人!という1人に充てられた方が良いようです。
②素材を集める
③素材を組み立てる
テレビドラマはクライマックスの前にその前フリがドキドキさせます。CMが入ってもどかしさを感じたりします。ビジネス書などだと、早く結論を!と思ってしまったり…。文章には読む人によって変えられています。そこを間違えるとまどろっこしい文章になってしまうようです。
また、長い文章を書くのに躊躇われるときは、分割して考える200字×5で1000字というように分けて考えられると良いようです。
④一気に書く
細かい数字は後で入れるとして…という感じで先にばーっと書いてしまう。微調整は後で。
⑤見直す
時間をおいて、客観的な視点を持って見直すといいそうです。完成!
いかがでしたでしょうか、以前にも書き方を紹介しておりますが、一番フランクに肩の力を抜くことのできる文章術でした。