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どくしょ感想:『13歳からのアート思考』/『言葉を離れて』

 最近たまたま芸術系の本を2冊読む機会があったので、今回はその事について書こうと思う。自分自身はもともと芸術系は全く苦手で、図工の成績も美術の成績も特にパッとするものではなかった。でもだからといって芸術という分野に全く興味がなかったわけではなく、何だかよく分からないけどかっこいいものという存在であった。「美術館行くのが趣味です」とかかっこいいけど、よくわからないからそもそも楽しめない。そんな感じ。

そもそも、美術ってこうやればいいって正解がないから難しい。どーやればいいのか、どう楽しめばいいのかわかんない。『13歳からのアート思考』はそんな「正解を求めてしまう」思考こそが問題の原因だとする。

この本最初の導入部分を紹介しよう。ここから私は心をつかまれた。最初の1ページ目を開くと「次の絵を鑑賞してみて下さい」という短い説明。2ページ目を見る。何だか抽象的な西洋の風景画(よく美術館とかに飾ってそうなやつだ)とその絵の下にタイトルと作家名、数行の解説(これもよく美術館にありそうなやつ)。何だかよく分からないけど、指示通り鑑賞する。

次のページをめくる。「さて、ここでひとつ質問をします」「あなた本当は、絵を鑑賞する時間より下の解説文を読んでた時間の方が多かったんじゃないですか?」まさにその通りだった。絵はなんとなく見て。はいはいよくあるお金持ちの家の壁にかかってそうなヨーロッパの絵ね。オーケー。すぐ下の解説を読む。ふむふむ、○○が描いたのか。そういう絵だったのね。この思考こそがまさに、本書で問題視される。「正解を求める」思考法だった。

そして著者はこう続ける。「人の出した答えを追ってばっかりいて、創造的な仕事なんてできるのですか?」ハッとさせられた。本当にその通りだと思った。「他人の出した答えに安易に飛びつかず、あなたの心に浮かんだ考えを大切にして、それを磨き上げ、あなたなりの正解をつくるのです」。自分が1番苦手にしている部分だと思った。

そして本書を自分に重ね、そして自分は文学を研究しているので、文学教育にも当てはめて読んでいった。「文学作品もこうやって、既に確立してる評価や解説文に頼って読み過ぎてなかったか?」そういう意味で、スゴい為になった。

本書ではこういった問題に対処する為に、「アウトプット鑑賞法」なるものを薦めている。詳しくはぜひ本書を読んでいただきたいのだが、これまた文学教育にもすぐにでも導入したいと思わさせるようなものだった。というか、自分が文学を読むときに何となく自分なりに大事にしていたところをきちんと言語化してくれていた。

今まで「正解を求める」生き方ばっかりしていたので急に「正解を作る」生き方に変えれるかって言ったらわかんないけど、少なくともそういう自分を少しは客観視できたかな。


そーいえば俺の周りの活躍してるやつら、自然とそういう生き方してたなー。みんな、元気かな。

俺もまだ、間に合うかな!

あと、2冊読んだもう一つの本は、そんな他人が作った正解なんてくそくらえっていう感じの芸術家が書いた本で俺とは真逆な人な気がしてそれはそれで読んでいて新鮮でした。

たまにはそういう人の思考を取り入れないと、凝り固まっちゃうね。自分が。

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