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水越杏子(こしあん)
2023年4月23日 21:15
職場に行って働いて家に帰るという一連の行為に身体がついていかない。頭や身体が何にも制限されていない時間が必要だ。そのためなら、お金は雨風がしのげる程度で……嘘、会いたい人見たい物のために思い立ったらすぐ動けるくらいは欲しい。心に余裕が欲しい。生活に遊びが欲しい。優しくしたいし、優しくされたい。以下、仕事中に脳内妄想が止まらない話。モノづくりでは、計画に必ずバッファを設ける。
2021年12月12日 10:59
4歳ぐらいのある日、眠れずに部屋を出るとぼんやりとした灯りのみがぼうっと影を作る暗い部屋に母が一人佇んでいた。灯りをよくよく見ると、とても小さな炎だった。「……」母は無言だった。薬草のような香りが匂いが立ち込めていた。やがて炎が消えると、その炎を支えていた器を口に運んだ。「魔女の嗜みってやつよ」保育園で読んだ絵本の中の魔女を鮮明に思い出した。全身を覆う黒い服を着て、派手な装飾品を身につけ
2021年11月18日 22:13
いつも通りの時刻に目覚ましを止めた。目は覚めたが動けないまま、天井と見つめ合って時間が過ぎていく。何とか起き上がって冷えた水を勢いよく流し込むと、出勤ギリギリの時間だ。ドアノブを回そうとする手が意に反して抵抗してくるのを感じながら外へ出た。叫びたい衝動を堪えて何とか会社の前まで辿り着き、深呼吸をする。朝の冷たい空気が肺を満たし、少し冷静になった気がした。早く仕事を片付けて帰って寝ようと思い直して