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ホラー小説のネタバレなし読書感想『四谷怪談』高橋克彦
お岩さんとご主人の民谷伊右衛門(たみや いえもん)の愛憎劇。
その原作は、江戸時代の歌舞伎にもなった鶴屋南北の芝居用脚本からです。
作者の高橋克彦さんは、幼少時代から『四谷怪談』のホラー映画に親しみながら育ったそうです。
作家業を初めてからは、鶴屋南北の原作を読み、その面白さを崩さずに一年をかけて今作ができました。
わたしは趣味兼、個人的な学習のためにXのスペースで朗読会を開いているのですが、そこでも『四谷怪談』が大活躍しました。
お芝居を前提に作られたお話は、喜怒哀楽の緩急が激しく、じつに抒情豊かです。
これほど、朗読に適した教材も珍しい。
日本の怪談というと「お岩さん」が定番ですが、今の若い方々は知ってらっしゃるのかな?
とても面白いお話なので、風化せずに語り継がれてほしいですね。