土地と古書の「人の跡」を感じるー「天神さんの古本まつり」レポート
ちょっと遅くなりましたが、10月17〜21日に大阪天満宮境内で行われました「天神さんの古本まつり」について書きたいと思います。
(最近は自分のことについて書くことが多かったので、今回は僕がずっと書きたいと思っていた古書を巡る話について書いてみます。)
天神さんの古本まつりに行ったのは10月20日、日曜日。
大阪環状線天満駅で降りて、日本一長いと言われている天神橋筋商店街を南へ歩いて大阪天満宮を目指します。
天神橋筋商店街を歩くのは今回で3回目。
初めて来たときはあまりの長さに段々と恐怖感が増してきて、「俺はこの商店街から本当に生還でできるのか」と不安になって途中で引き返してしまったのは今となっては良い思い出です。
道中、天神橋筋商店街の御神輿の催しがあり、凄まじい熱気でパフォーマンスが行われていました。
この一団について行くこと30分、ようやく大阪天満宮へ到着。
大阪天満宮の境内へ入ると、もうすでに古書がずらり。
最高じゃあないか…
大阪天満宮の歴史は紀元後650年にまで遡るらしく、現在の本殿は1843年に建てられたとのこと。
秋晴れの空、淡い橙色の日差しが優しく差し込む中、大阪天満宮の境内を歩きながら古書を巡ります。
出店している古本屋さんは天神橋筋商店街のお店が多かったのですが、店舗に引けを取らないくらいの数の本が並べられていました。
難しそうな哲学書の数巻セットを扱っている古き良きお店もあれば、店主の方の趣味や関心が伝わってくるようなモダンなお店もあり、どのお店も特色があって新鮮に感じます。
古書の価格帯はかなり広く、僕が見つけた占星術の綺麗な装丁の本は5500円と、思わず目を見開いてしまいましたが、100円古本コーナーもあり、そちらも魅力的な本がずらりと揃っていました。
大阪天満宮が位置する南森町はオフィス街、周囲は少し古い建物の中にぽつぽつと新しいビルが建ち並ぶ、少し古い都会といった雰囲気です。
そして、大阪天満宮の由緒を感じさせる佇まい、さらに古書ー。
ここには新しいものよりも古いものが多く、そうした古いものからは「人の跡」が感じられます。
この地を訪れたたくさんの人の思い、そして、古書にこもった、これまでの持ち主の思い。
そうした思いが目には見えない「人の跡」となって僕に染み渡ってくるような、そんな優しい感覚がありました。
新しさがもたらすものは刺激だとしたら、古いものがもたらしてくれるのは優しさだと思います。
テントを巡りながら古書を手に取る度に、心が包まれていくような、とてもいいひとときでした。
さてさて、一体何冊の本を買ったんでしょうか…1冊1冊の出会いとビビッときた感覚は覚えているのに、それが何回訪れたかはわからないわけです。
帰宅後に本棚へ並べてみました。
…あれ、こんなに買ったんだっけ。
どおりでリュックがめちゃくちゃ重くて、歪な形に変形していたわけです。
でも、こうして並べるとすごくわくわくしてきます。
こんなに読めるかわかりませんが、とにかく素敵な本が家の本棚に並んでいるということ自体がすでに幸せです。
読んだ本も随時noteで紹介していければなと思います。
本当はお店の人と話したりして、古書の話とか聴けたら楽しいんでしょうが、なかなか話しかけづらかったりします…また機会があれば勇気を出して頑張ってみたいです!
今後もこういった記事や古書のこと、その他色んな文化に関わることを発信できたらと思います。