ピンク、ぺっこん 村上康成さんの描くイワナ イワナの塩焼き
20世紀、まだ「BE-PAL」(老舗のアウトドア雑誌)が付録雑誌になっていなかった頃。村上康成さんの挿絵(イラスト)が多く掲載されていた。
雑誌の付録
ここで少し付録の話。
付録って子供の月刊漫画雑誌や、小学館、学研の子供向け雑誌に沢山付いていた。付録の内容で子供は本を買う。そして本自体は読まずに、その辺にほうっておく。そんなイメージだ。
今は、女性向け雑誌に付録(オマケ)は必携となっている。
私的には、大人のアウトドア雑誌や趣味の雑誌は記事が勝負で、オマケはステッカーくらいが無難だと思う。「所ジョージの世田谷ベース」のムック本、オマケはステッカーだ。これくらいが粋だ。
「アコーステックギターマガジン」の練習音源のCDは役立つ。いい付録だと思う。でもこのご時世、サブスク提供となりつつある。ネットに接続しないと使えない。それは使用者の情報とトレードオフとなる。
ネットの無料サービスは利用者の情報とのトレードオフ。つまり自分の情報を身売りしている。無料だとありがたがる必要もない。
お金を払って見る電子書籍、個人情報とお金とお金を取る。そしてプラットフォームは海外、そこへ日本は使用料金を払う。
そして、ある日システムが変更されて、利用者にはなにも残らない。
世界のIT大企業のクラウドに電子マネーと個人情報が残るだけだろう。
「うーん、クソ」
そう思うと腹が立つ。それならオマケのCDの方がマシだと思ってしまう。本だって現物がいいに決まっている。特に絵本は現物以外価値がない。
「BE-PAL」の2011年7月号の「ロープワークマスター講座」このような別冊付録は使える。
私がアウトドアズマンになるため、舫い結びを確認している事が漏れることはない。
話は大きくズレたけど、私としては、「BE-PAL」付録の安っぽいアウトドア小物は、後に燃えないゴミになるだけなので要らない。
カタログ雑誌でもいいけど、もう少し日本のアウトドア文化を押し上げる雑誌として成長して欲しかった。
昔はこの時期、夏の虫特集、図鑑も掲載されていた。自然教育面でも楽しい特集も多かった。そこに村上康成さんの挿絵もあり、歯に衣着せない野田さんの文章もあり、独特の文化があった気がする。
今や、本当の自然を知らない世代が雑誌を作っている・・かな(憶測はいけない)、でもそうなってもしょうがないのだろう。
シフティング・ベースライン・シンドロームの恐怖だ。
村上康成さんのイラスト
そんな「BE-PAL」1990年時代、常に村上康成の挿絵(イラスト)があった。あの当時はまだデビューして間もなかったようだ。特徴を捉えたイワナと余白とのバランス。そんな日本画のようなイラストに感動した。
ある時期シールとして付いてこともあった。まだ大切に妻が保管している。私は管理能力がないのでありがたい。
原画と会う
昨年8月6日、国道141から野辺山経由して松原湖へ向かう途中、えほんミュージアム清里に寄った。
村上康成さんの40周年記念、絵本原画展が催されていた。
「みずぎわ族」、窓際族をかけているのかぁ。この辺りは、同い年なので親父センスがわかる。産まれが岐阜県郡上郡八幡町、川の町だ。これで釣り好きなのはわかる。特にフライフィッシングが得意というより、フライが人生そのものだ。
だから川魚(イワナ、ヤマメ)と鳥(カワセミ、ヤマセミ)のイラストが特別にいい。現物を愛でている。その心から見たデフォルメ画は最高だ。
フライフィッシング
ここには使いこまれたフライフィッシングの釣り道具も展示されていた。
フライフィッシングというと、私は映画「リバー・ランズ・スルー・イット」が常に頭に浮かぶ、ブラット・ビットがモンタナの川でフライを投げるシーンだ。
原作はアメリカ自然文学の名作「マクリーンの川」だ。この影響でフライフィッシングをやりたくなったが、用具の値段が高いし、カヤックをやっている頃から、日本の川釣り師にはいい印象を持ってないこともあるので、仲間になりたくはなかった。
映画の舞台、モンタナの自然と言えば、ロバート・レッドフォード監督作品となる。モンタナの美しい大自然を背景に、レッドフォードは家族愛と兄弟の絆を真摯に描き上げた。本作で注目されたブラッド・ピットが美青年過ぎた。巷では大きな話題になった。
私が感動したくらいだ。それ以来、ブラッド・ピットのファンだ。後、ニコラス・ケイジ、日本の男優では鈴木亮平が好きだ。
絵本コレクション
この展示会で、実物のイラスト画を見て気づいたのが、意外と小さく描いていることだ。ほぼ絵本のサイズ。
当然だけど絵本を収集している。
中古で入手している。何冊かサイン入りだった。絵本はなんとなく古本の方が味がある。なぜだろう。人が何度も見返しているから、その情が入り込むのだろう。
川魚を味わう
村上さんの故郷、郡上八幡のご近所中津川の旅館において、妻と岐阜が地元の大学時代の友達と会う、お酒を飲み、久しぶりに鮎の塩焼きを食べた。香りがいい、美味かった。
鮎も美味かったが、過去一番美味かった川魚は、富山県五箇山の世界遺産の民宿で食べたイワナ。炉端で1時間以上かけて焼いたイワナは抜群に美味かった。
九州の魚を味わう
私は魚が好きで、見るのも食べるのも好き。最近は九州天草で、あの甘い醤油で食べる白身魚の刺身、また白身の焼き魚が好きになった。九州では夕食などで出てくるカマスは塩焼きにすると上品な味となる。
私が思うに、日本でマグロはインバウンド向けとして提供して、本当に美味い近海の白身魚を自分達で食べたらいいと思う。今やマグロは世界中で食べられる。一方、近海の白身魚は日本でしか味わえない。
「図解 魚の味きき辞典」
この本はブックオフで110円だったけど大変役立っている。イラストもいい。春、旬のサワラの炙りは最高だよ。
村上康成さんのイラストから雑誌の付録、魚料理と話が流れたが、日本の魚料理の文化は流れないで欲しい。世界の宝だ。
「日本の宝石」