腸を育てて、毎日を楽しく。(ヘルスクリエイター・Kimy)
KOMBUCHA (コンブチャ)とは?
──今月のテーマは「腸」。腸活という言葉も話題ですが、そもそも腸を整えることは、心身にどのような影響があるのでしょうか。腸に優しい発酵飲料「KOMBUCHA」をプロデュースするヘルスクリエイター・Kimyさんにお話を伺います。
Kimyさん:はじめまして、Kimyです。現在は鎌倉でワークショップをやりながら、腸内環境を整える KOMBUCHA の魅力を発信しています。よろしくお願いします。
──ちなみにお名前の「Kimy」はニックネームですか?
Kimyさん:はい。名前が貴美代なので、昔から周りに「きみちゃん」「きみ」って呼ばれてました。そこで最後にyを足してKimy、作っているコンブチャは『Kimy KOMBUCHA』としてブランド名にしています。
──ぜひ、Kimyさんって呼ばせてください。
Kimyさん:もちろんです。
──ありがとうございます!そしてKimy さんは今、お話にあった KOMBUCHA の活動に取り組んでいると聞きました。
Kimyさん:はい。販売して6年になるのですが、ワークショップをやりながら魅力を発信しているんです。東京だけでなく地方にも出店したり。でも海外に比べるとまだまだ日本では浸透していませんね。欧米のスーパーでは一棚全部がコンブチャだったりするのに。
── 海外で浸透しているのは知りませんでした。
Kimyさん:そうなんです。KOMBUCHA は元々、モンゴル地方の遊牧民が飲んでいたという説があります。日本の「昆布茶」と発音は同じですが、全くの別物です。お茶を使い、酵母や菌の微生物の力を借りて生み出される発酵飲料です。1970年代には「紅茶きのこ」という名前でも流行っていました。50歳以上の自然食が好きな方からは「昔は作ってた」とか「母が作ったのを飲んでいた」みたいなお声をよく聞きますね。
──歴史ある飲み物なんですね。
Kimyさん:今でも健康志向の高い方の間では広まっています。ちょうどヴィーガンが流行り出した直近10年ぐらいは、同じくヴィーガンである KOMBUCHA 市場は右肩上がりです。
きっかけと現在
──Kimyさんと KOMBUCHA との出会いを教えてください。
Kimyさん:中南米のコスタリカで出会った KOMBUCHA がすごく美味しかったんです。コスタリカは、中南米で唯一軍隊を持たず、昔から国民が自分たちのことを豊かだと思う国民が多い国として有名なんですよね。「ウェルネスボランティアセンター」という施設もあって、世界中からウェルビーングに興味のある人も集まっています。
──そうなんですね!初めて知りました。
Kimyさん:気候が良く、心身を整えるリトリートセンターも沢山あります。無農薬のコーヒーや野菜の生産も盛んで、世界中から勉強するために一流の方が集まってくるので、結果的に質もよくなっていくんです。世界で最も絶滅危惧種の鳥を保護していたりと、人にも動物にも優しいんですね。
──国民全体の意識が高いんでしょうか?
Kimyさん:もちろん全員が意識の高いわけではないと思います。でも、やっぱり国としての考え方は広まっていて、欧米各国の教養の高い層から人が訪れているんです。正直、物価は高くて現地のコスタリカ人にとっては住みにくくなっているらしいので、いい面と悪い面があるんですけどね。ナチュラルな生活を求めている人にはぴったりなんです。
──Kimyさんもその1人?
Kimyさん:そうです。当時、アロマセラピストとしてどこまで通用するのか興味があって、1ヶ月間ほどリトリート施設で働いていました。各国から来た人を迎えて、掃除したり、献立を考えたり、マッサージをしたり。現地の方は率直なことを言ってくれる方が多いので、自分の成長のためにも挑戦してみたかったんです。休日はよく、海辺にあるウェルビーイングの村として有名な「ノサラ」に行ってました。その村のオーガニックショップにあった KOMBUCHA に感動したんです。
──以前から知ってはいたんですか?
Kimyさん:はい。別の国で最初に飲んだ時は、正直美味しく感じませんでした。以来、避けていたのですが、ノサラの KOMBUCHA は本当に美味しくて、しかも手作りだったんです。滞在中は頻繁に飲んで、帰国してからもその味が忘れられなくて工場を探しました。そこで『KOMBUCHA_SHIP』さんとつながったんです。
──KOMBUCHA_SHIP、SNSでもよく見かけます。
Kimyさん:日本で唯一、KOMBUCHA の工場を持っているんですよね。埼玉の川口にあるのですが、アメリカのように大きくて、初めて訪れた時はびっくりしました。オーナーとは今は友達で、彼にホームメイドの KOMBUCHA ができる本を見せてもらって、自分でも KOMBUCHA が作れると思ったんです。それから作り始めて半年後、コスタリカで飲んだ味ができた時は、とても嬉しかった。
──すごいです!
Kimyさん:ありがとうございます。同時に「何で日本には、こんなに美味しい KOMBUCHA がないのか」と思いました。そんな時、鎌倉にあるカフェで働いてみないかとお誘いを受けたんです。そこには海外からもお客様が来ていたのですが、ヴィーガンが食べられる場所を探す問い合わせが予想以上に多かった。なのでオーナーに相談して、自分が作った KOMBUCHA をメニューにいれてもらえるようになりました。
──それから6年。何か変化は感じますか?
Kimyさん:SDGsの波は大きな変化でした。元々、毎日出るゴミにうんざりしていたこともあり、提供している KOMBUCHA のストローをプラスチックから紙に変えるなど、環境問題にも取り組んでいたんです。そうしたら取り上げてもらえる機会も増えて、鎌倉近辺から徐々に広まっていきました。何事もタイミングですね。
つらい時期を乗り越えて
──Kimyさんが腸に興味をもったきっかけを教えてください。
Kimyさん:実は昔から体が弱く、虚弱体質でした。4歳から肺炎で入退院を繰り返し、社会人になってから激務の中なんとかやってきましたが、30代に入ってからはガクンと調子が悪くなり、平均体温も低く、高熱もよく出すし、もうぼろぼろだったんですよね。これは本当どうしたものかなと思って。
──なるほど。
Kimyさん:そんな時に震災が起き、アロマオイルを使って被災者のケアをする方の特集をTVで見たんです。そこで服などの物質的な支援も必要だけど、心のケアも大切だと気付きました。これをきっかけにアロマを勉強する中で、腸と脳は繋がっているということを知りました。腸を整えることができれば、自分の体も強くなれると思ったんです。
──今の健康的なお姿からは想像できません・・!
Kimyさん:そこからアロマでなくても腸に良いとされることを沢山試しました。食事に使う調味料を変えてみたり、発酵食にこだわってみたり、免疫力を上げるために腹巻を巻いたり、筋トレをしてみたり。そうやって楽しみながらやっていたら、少しずつ体が変わっていったんです。それくらいで、先ほど話していたコスタリカへ旅立ちます。
──繋がりました。人生でこんなに沢山のことをやってる方は珍しいと思います。
Kimyさん:もしも自分の体が弱くなかったら、ここまでやっていません。元々の課題があったからこそ、できたと思うんです。根本的に突き詰めていくことが、面白くなってしまって。
──腸を意識し始めてから、どんな変化がありましたか?
Kimyさん:健康になったことはもちろんですが、面白いことに性格が優しくなりました。腸を整えると、脳に良い影響があり、心にも余裕が出たのだと思います。例えば緊張すると、お腹を下したりしますよね。これは、脳と腸を結ぶ特殊な神経系で、腸が脳の緊張を敏感に察知しているから起きてしまうんです。他にも腸では「セロトニン」というハッピーホルモンが作られています。アメリカでは、精神疾患がある子に元気な子の腸液を移植して、疾患の改善に成功したケースもあるそうです。
──心の健康に腸内環境が影響しているなんて驚きです。
Kimyさん:私は腸活より「腸育」という言葉がしっくりきています。というのも、腸が注目されているのはその腸内細菌の種類と量の多さとバランス。腸内細菌が育ち、活発に動く環境を作ることで健康になるとされていからです。
──「腸育」。腸を育てるということを考えたことがなかったので、面白いです。よい腸を育てるためには、何が大切ですか?
Kimyさん:1番は良い食事。あとは、ストレスがないこと、体を冷やさないこと、運動することなどがバランスよくできていると、腸の育成に効果的です。ちなみに、腸内細菌も人間と同じようにご飯を食べて、フンをします。自分の便のほとんどが細菌の便なんです。自分のなかで腸内細菌が生きているということを知っているからこそ欲望のままにご飯を食べることは減りました。細菌さんにとっては嬉しくないでしょうから。笑
──お腹にペットを飼っているような状態ですね。
Kimyさん:たしかに。あと最近は農薬かかった食べ物も、洗って美味しく歌いながら料理をすれば、エネルギーとして細菌が喜ぶものになるとも考えています。一概にオーガニックばかりとればいいというわけでもないと思うんです。まずは意識が大切で、コンビニ食だって選ぶものを気をつけたり、休日だけでも腸にいい食事をしたり、1日の終わりに「今日もご苦労様」と口に出して言ってみるだけで、変わることもあると思います。
──何事も気持ち次第。少し捉え方が変わった気がしました。
Kimyさん:腸が変わるだけで、毎日の生活は楽しくなります。腸育には五感を使うことも大切みたいで、だから八百屋の買い物でもたまには値段を見たりせず、触ったり匂ったり感じるままに選んでみるのもいいかもしれません。そういう日を1日つくるだけで、楽しくなる。
すべてが満たされること
──最後になりますが、KOREDAKEは心身の健康をかなえるウェルネスブランドです。Kimyさんにとってのウェルネスとはなんでしょうか。
Kimyさん:一番は健康だと思うんですけど、やりがいだとか、生きがいだとか、全てがサークルになったときに、人は多分幸せと感じるんじゃないかなと思います。だからまず私は、日々の食に対して愛情をもって丁寧に向き合い、暮らしていきたいです。
──腸にいる菌も生きていて、自分だけの体じゃない。Kimyさんの「100%駄目」と決め付けないマインドもいいなって思います。
Kimyさん:そうなんです。私はサプリメントもいいものであれば、腸が生き生きする手助けになるのでOK派。健康志向のこだわりが強すぎて苦しくなっては元も子もありません。何事も柔軟に、いかに楽しく、腸を育てていくのかを大切にしていきます。
──貴重なお話をありがとうございました。
『KOREDAKE』WEBはこちら▶️ https://koredake.co.jp/