あるがままの自分のスタイルで生きる。(骨格ボディメイクセラピスト・芦沢さゆり)
──今月のテーマは「あるがままのスタイル」。あるがままを受け入れるということは私たちには時に難しく感じることかもしれません。でもそれができると、きっと生きやすくなる。
今回はそんな、「あるがまま」を受け入れる方法を骨格ボディメイクセラピスト・芦沢さゆりさんにお話を伺います。
芦沢:はじめまして、芦沢さゆりです。約10年間、会社員と並行してヨガ講師として活動していました。退社後は、ヨガとアーユルヴェーダの講師をしていましたが、2021年より力学視点から骨格構造を建て直していく骨格ボディメイクセッションを提供しています。
また思い込みを解くシンプルな体験型ワーク「秘行」公認ファシリテーターとしても活動しています。
重力を味方にする
──芦沢さんがボディメイクセラピストとして活動し出したきっかけを教えてください。
芦沢:これまでの20年間、私はヨガとともに生きてきたと言っても過言ではないくらいの生活を送っていました。そして、常に「良いこと」を選択することに意識を向けていました。身体、心、環境、意識向上に良いこと…。でもその間の人生が喜びに満たされていたかというと必ずしもそうではなかったかもしれません。「良いこと」と思うことにどこかとらわれて生きていて、そしてそのことに気づかずに絡まりまくっていたんだと思います。
そんな時に出会ったのが「骨格メソッド」でした。たまたま受けたセッションで、長年張っていた腰や肩周り、たくましくなってきた首も、埋もれてきた目もスッキリし、顔が小さく引き上がっていくのを実感したんです。あまりに衝撃的でした。これだ!と思い、そこから骨格メソッドについての学びをスタート、今に至ります。
──衝撃の出会いだったんですね。その骨格メゾットとはどのようなものなのですか?
芦沢:ひとことで言うと地球の重力から人間の骨格構造に着目したボディメイクです。地球上にあるもの全てに重力がかかっていて、人間も本来は重力を受け止められる骨格構造で生まれてきているんです。例えば、本来であれば背骨はS字カーブであることで重力を受け止められ、背骨も重心移動によってひとつひとつ動きます。その本来の形が現代社会で生きていくうちに崩れてしまい、重力を受け止められない骨格構造になっていきます。
そうすると身体の様々な箇所が代償運動をせざるを得なくなります。ある意味、身体全体でバランスを取ってくれるんです。そしてバランスを取るために、例えば頭が前に倒れ、顔が大きくなったり、骨盤が後傾して股関節が緩くなってしまって脚が太くなったりするんです。筋肉を鍛えたり、ダイエットも一つの考え方だけど、根本の骨格構造自体を元の位置に地球の力(重力)を借りて戻そうね、という面白いメソッドです。
心を見ようとすると苦しくなる。
──骨格を元の位置に戻す、今までなかった考え方です。芦沢さんはその骨格メソッドに出会って体や心にどういう変化がありましたか?
芦沢:意識でコントロールもせず、我慢や努力もしていないのに、身体の変化が驚くほど早かったんです。そして身体という器の中にある心や思考も自然に変化してしまっていた、そして自分を自意識から出て観ることができるきっかけになった気がします。
私たちは実体のある体の変化を一番感じやすいのだと思います。心って当たり前ですが実体がなく、目には見えないですよね。だから心だけを見ようとするとどうしても苦しくなったり、自意識から抜けるのが難しく感じるのかなと思うんです。
自分のコントロール外で身体って変わるんだということが私には気づきが大きかったです。
──芦沢さんは強くて凛として見えます。それはどうしてでしょうか。
芦沢:うーん。結果なにが起きても大丈夫、だと根底から思っているからかもしれないです。ネガティブなこともポジティブなこともあって当たり前。一つの遊びのように自分を他人のように観てみたり、距離を離して観てみたりすることで、あー、あたしってあたしをこうやって見てたのかー、可哀想なことしてたなぁ、頑張ってるなぁ、よくやってるなぁって思えてきて、そうなると、外に向かってどうというよりは、自分が自分の中でこっそり堂々とする感覚が出てきて、他者の評価は無数にある一つの見方であって、わたしそのものを表しているものではなくて角度を変えたらそうも見えるんだなぁと思えてしまうんです。
必ずしも誰かに褒められる必要はない。
──それは一体どういうことでしょうか。
芦沢:離れて見た自分のことを、例えばわたしでしたら時に自分の娘のように見てみたりしてました。自分自身のことを好きになろうとか褒めよう認めようとすると、頭で分かっていてもしんどい時がありました。でも自分の娘だったら?とイマジネーションを使ってみると、何かできないことがあっても、「いいよいいよ、チャレンジしたことがすごいよ!あなたの価値にはなんの関係もないよ、丸ごと愛してるよ」って声をかけてあげることができると思うんです。自分で自分のいわば欠点や失敗のように見えることさえも、好きにならずとも丸ごと愛おしくなってしまうと、誰かからの評価と関係ないところで本当の意味での自己肯定感が常に発動していくんだと思います。
──素敵な考え方ですね!今日は貴重なお話をありがとうございました。
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