「不幸くんはキスするしかない」
テレビをつけたら偶然一挙再放送をしてたので、ついつい見入ってしまった。なんぞこのけしからんとキュンキュンの大洪水は。
曽田陵介さんは、tvkの「猫のひたいほどワイド」に月曜レギュラーとして出演していたし、lolもtvkでレギュラー番組を持っているので、名前ぐらいは知っている。このドラマも放送されていることは知っていたし、一応毎週録画をかけておいたのだけれど、見ることなく半年以上放置した挙句、まるっと削除してしまっていた。今思えばなんともったいないことを。
物語は、生まれつき不幸体質の福原くん(曽田ちゃん)が、超幸運体質の篠宮くん(lolの佐藤くん)を、己の不幸回避に利用しようと接近した結果、成り行きで付き合うことになってしまい、我が身にこれでもかと降りかかってくる不運に絶叫しつつ、幸運体質というより単なる天然ひとたらしじゃねえかという、篠宮くんのいい奴っぷりに悶絶しまくるという、それだけ。でも、その「それだけ」が絶妙にキュンキュンするのだ。曽田ちゃん可愛すぎかよとゴロンゴロンしながら。
福原くんが自分も他人も傷つけないように、あざとく立ち回っていることは最初に明かされるけれど、篠宮くんもまた自分という人間ではなく、彼の強運目当てで近づいてくる人間との関係に苦悩していたことが、終盤に明かされる。彼もまた、悩み多き人なのだ。見えづらいだけで。幸運ではあるけれど幸せではなかった篠宮くんを幸せにしたのも福原くんなら、不幸ではあるけれどかわいそうでは決してない福原くんを幸せにしたのも篠宮くん。なんかもう、色々尊すぎる。
人間の生きづらさなんて見えにくいもので、福原くんのようにド根性で受け流している人もいれば、篠宮くんのように言葉に出さないことで折り合いをつけている人もいるだろう。美しい二人の中に見え隠れする、身に覚えのあるリアル。そこにきゅんとしたり、思わず心がずきんと音をたてたり。こういう何も考えず、気楽に見れるドラマもいいものだなあと。そんな2023年のはじまり。