「感情の分析」という話
まえがき:「感情」の分析
私たちは日々、様々な感情を抱きながら生きていると思います。好きな人に会えて嬉しいだとか、仕事に失敗して悲しいだとか、信用していた人に裏切られて怒りを感じるだとか、そういった経験は誰でもしたことがあるのではないでしょうか。
では、そんな私たちが生きている中で当たり前のように抱いている「感情」とは一体何なのでしょうか。「感情とは何か?」なんて問われると意外に説明するのは難しいです。今回はそんな身近なようで意外によくわからない「感情」について考えていこうと思います。
第Ⅰ章:感情の本質
私たちは喜怒哀楽といった感情や、その他にも嫉妬や恐怖などといった様々な感情を持っています。でも、そもそも「感情」とは何でしょうか。感情の本質はどこにあるのでしょうか。哲学者の源河亨は、感情の本質を理解するために次のような場面を例に出しています。山道を歩いていた時、茂みからヘビが出てきて、恐怖を感じる場面です。
このような場面で起きていると考えられるのは「ヘビは危険だ!」という思考や判断と、心臓の鼓動や筋肉の緊張、発汗現象、呼吸が荒くなるといった身体反応です。
常識的な感情観で考えると、ヘビを見て「怖い!」と思考したから体が震えるというような身体反応が起きていると考えられていますが、本当にそうなのでしょうか。
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