見出し画像

大切なのは生きた年数ではなく「質」

普段は哲学書や私小説を好んでいますが、現代小説を読んだり、個展に行く機会があったので、感想を記しておきます。

いずれも10代・20代のアーティストの方々ですが、僕が見えている世界よりも比べ物にならないほど深く広い世界が彼らには見えていることを考えると、大切なのは生きた年数ではなく質なんだなと実感しました。

カンザキイオリさん

1997年生まれなので2017年に当時若干20歳にして楽曲「命に嫌われている」を発表し、現在YouTubeでは2,700万回以上再生されている。カンザキさんの楽曲についてはこれまで何度も聞いたことがあるが小説を読むのは初めて。

「自由に捕らわれる。」を拝読した。kindle版でだいたい450ページくらい。また、表現もそれほど難しくないのでまる1日かければ読み終わる。

家庭や学校と行った閉鎖的な空間の中で本人が抱える感情やそこから産まれる生きることへの切なさや自分語り、タブーとされているセクシャルな描写もあり、独特な死生観に共感する部分は多かった。僕はこれまで現代小説を読んでもさっぱりという感じだったが、初めて面白いと思った。

平和ボケした今の日本で昔の文豪のように命を懸けながら小説を書いている訳ではないだろうに、どうゆう経験からこのような文章を書くに至ったのだろう。

中島隆誠さん

こちらは2004年生まれの近代アーティストの方。この方を知ったきっかけは以下のYouTubeチャンネル。
動画をご覧頂ければ分かる通り、かなり抽象的な内容を非常に的確に言い得ていて、如何にも天才肌の方という印象を受ける。

現在表参道で個展を開催しているということだったので、元々興味があったこともあり、行ってきた。
以下が個展の内容。作品自体はそこまで特異なものであるという印象は受けなかったが、以下に示されている文章や作品の背景に関する説明文を読むと、やはり10代にしては異様に表現が大人びていて、理解するのが難儀であるとすら感じる。

中島さんの作品

ちなみにYouTubeチャンネルでは東京大学と東京藝術大学を受験するとのことだったが、本人の意思なのか意思に反してそのようにせざるを得なかったのかは定かではないが、現在はフリーのアーティストとして活動しているらしい。
いずれにせよ、10代でこれだけ自分の世界観を持って行動に移していることには感服する。

いいなと思ったら応援しよう!

トキオリミナト
記事が良いと思ってくださったらサポートお願いします。途上国に寄付しようと思います。

この記事が参加している募集