『ある意味バイトの番外編②』
今の時代、就活ってなかなか大変そうだよね。そういった苦労をされている方々には、ほんと申し訳ないくらいふざけた就活しながら、お金までいただいてバイト代わりにしていたっていうのが前回までの話。そんな流れで、バイト話から少し離れて当時の就職活動の話させてもらいますね。
まぁそんなわけで、就職として興味ない業種の説明会にも参加したりしてたのですが、それも行ってみると面白いもので、そこで働いている方、しかも基本的に自分の会社に愛情ある方が自社の説明をするわけじゃないですか。もちろん悪くいう訳もなく、そして興味をもっと持ってもらえるように話をしてくれて。その企業の、ましてや業界の予備知識すらない状態で訪問していたものなので、その場に行って、 あぁここがアレを作っていたのか。こんな所でこの会社が世の中の役に立っているんだ、とか。今更ながら世の中の仕組みを違った角度で勉強させてもらった。これは、社会人になる前に、とてもいい経験させてもらえた。どの仕事にも表に見えない仕事がたくさんあって、そこと上手く繋がらないと何の仕事もできないってこと。自分軸の考え以外にも、色んな考え方、捉え方をしている人たちがいる、ってことをこの時点で考えられたのは、実際の社会人になってからの現場で、とても役に立った。ちょっとした就活マニアにもなっていましたね。
実際の説明会には、俺のようにバイト感覚で参加している人なんて、たぶん他にはいなかったと思うので、そこに来ている参加者は少なからず、その会社に興味があって、質問・質疑応答の時間なんかは皆積極的に手を挙げてアピールするわけ。当時の就活マニュアルっていうか、先輩なんかのアドバイスだったかな「積極的に手を挙げて質問して印象付けて、面接担当者に顔と名前を憶えてもらえ」っていうのがあって、皆それを実践していた。
嘘かホントかわからない話だけど、サッポロビールの面接で、周りの参加者が色々と質疑応答に参加してるのに、ずーっと黙っている学生がいて、
面接担当が
「何故 君は何も発言しないのか」と質問したところ
「男は黙ってサッポロビール」と、その学生は少し前に流行ったサッポロビールのCMの三船敏郎のセリフで応えて内定を勝ち取ったという、都市伝説的な話まで出回っていた。
そこまでのことを実践した知人はいなかったが、同じ会場で、変な機械みたいな物を膝に抱えていた学生がいた、という目撃情報は友人から聞いたな。グループ分けで一緒にならなかったのでその機会の詳細は解らずじまいだったようだが。
そんな中、本命業界以外では、違う目的(バイト)の俺、なんだろ婚活パーティーに食事目的で参加した感じ?で、冷静に他の人の動向を見ることができるポジション。もちろんこちら学生側の発言や仕草もそうなんだけど、企業側の担当者もね。表情やチェックしている手元の動きなんかも。これもマニュアルだか必勝法だかにあったのだけど、10人くらいの少人数の説明会(大人数の会場から少人数に振り分けられてって場合もあり)なんかだと「○○についてグループディスカッションをしてください」というふうに、担当者から促されたりすることがあって、そういう場合には、
すかさず手を挙げ
「では、私が進行役やらせていただいてよろしいでしょうか?」と場のイニシアチブを握れ。ってのがあって、
これ言ったもん勝ちシステムでね、
仮に一歩遅れて、
「いや、それは私にやらせてください」とか二番手に甘んじると
「進行を妨げる奴、自己中な奴」って印象付けてしまう。
とされていたんだよね。でも積極的にいったとしても、しどろもどろだったり、他の人の意見をうまくまとめたり広げたりと、実際の進行をうまくやれなければ逆効果だったりしてね。そんなやりとりを一歩引いて見れていたので、自分の本命や興味ある企業では大いに参考にさせてもらいました。おかげさまで、結構いろいろな企業から内々定もらえてました。
・新聞社
・広告代理店
・CM制作会社
他数社
基本的にマスコミ、特に新聞社希望だったので後に入社する『電波新聞社』の内々定貰った時点で、他の新聞社以外の業種は社長面接(ここまで進んでいれば、ほぼ決まり)の案内まできていたものも辞退させていただいていました。
と、うまくいったいいことばかり書いてますが、以降は失敗談ね。
名の知れた全国紙の新聞社、在京TV局などは、説明会にも参加させてもらえなかったり、説明会参加していわゆるエントリーはしたものの、その後、その企業からは音沙汰無し、門前払いの惨敗。
神奈川ローカルのTV局はいいところまでいっていて、部長面接まで進んでいたのに、前日の飲み会ではしゃぎすぎて目覚めたら友人の家、しかも面接の時間ぴったし。焦ったなんてもんじゃないけど、横浜まで1時間以上の場所。泣く泣くあきらめるっていうより、開き直ってそのまま友人宅で遊び続けたな。今考えても、なかなかのひどい醜態。と、まぁ今も大して変わらないか・・・。
九州地方のある地方新聞社へのアプローチ。東京で説明会があるというのを開催日の3日前くらいに情報キャッチ、既に参加の受付日は過ぎていたのだが、直接電話してみたところ(本命の業界は積極的に動いてたのです)
「この電話で受け付け受理しますが、会場案内などは郵送では間に合わないので口頭で案内させていただきます」とのこと。PC・ネットがない時代ってこういう時、大変だったのよ。で「会場は○○ビルの〇階「渋谷公会堂」の道路挟んだ反対側です」と口頭で伝えられたメモ。当日、時間も余裕で渋谷公会堂に行き、向かいのビル。はて?どのビル?と探すも○○ビルは無い。どこからの向いなんだろ?って渋谷公会堂をぐる~っと一周すべてのビルを確認するも○○ビルが見つけられない。焦ったね、ここで問題なのが「渋谷公会堂」ってことを確認した時点で分かったつもりで、住所確認を怠ったこと、多分言われてはいたハズ。新聞記者に成りたいという者が、ひどい話だよね。慌てて受付してもらった番号に電話をかけると、受付時と同じ担当のおじさんの声、その時のお礼言って建物が見当たらない旨を伝えると、そんな俺にも、とても親身になって対応してくれた。
『「渋谷公会堂」の前にいるんですけど、どちら側に?』
『そうです「シブヤ公会堂」の前の通りの反対側ですよ』
『正面入口の道路の反対側にいるのですが、そのビルが無いんですよね』
『結構でかいビルなので、すぐわかると思うんですが』
『そんなにでかいビルですか・・・』
『「シビヤ公会堂」の前ですよね』
『・・・っえ、あれ?・・・・・・・・・あの、もしかして「日比谷公会堂」ですか?』
『そうですよ「シビヤ公会堂」ですよ』
『あーーー!!すみません私「シ・ブ・ヤ公会堂」に来てしまってました(汗)』と、やっと間違いに気付く。
向こうも合点がいったようで
『時間間に合わないだろうけど、行ったほうが良いですよ、こちらからも会場の担当者に事情説明しておきますから、慌てないで向かってください』と、この上ない優しい対応。こんな良いひとがいるなら働いてみたいなんて思いながら、なんとか15分くらいの遅刻で日比谷の会場に到着。担当者さんに話は通じていて、後ろの方の席に座れましたが、まぁバタバタして名前は憶えられたのでしょうがね、こちらの地方新聞さんとは、その後の御縁が無かったようで・・・。
マスコミ系の就活の流れで、TVCMの制作会社の説明会からもう一つ。2度の面接を経て部長面接のときの話、ちなみにこの会社は、志望している新聞などの活字系ではなかったのだけど、とても仕事内容の面白そうな会社で、かなり興味があった。そこでの質疑応答の話。学生5人に対して、各部部長も5人。当時の就活の流れでは、部長面接をクリアすれば次は社長面接。社長面接は面通し的なもので、ここまで行けばよほどのことがない限り、合格というのが常で、この部長面接が最大の山場だったわけだ。そこでの、
人事部長の質問。
『君たちは皆さん制作希望でプロデューサーやディレクター志望での応援だと思うけど、会社にはその他の経理や人事などという、現場以外の仕事があるわけです。入社決まった後に、会社側から現場の仕事でなく、そういった現場以外の事務仕事に就いて仕事をするような辞令が出た場合、貴方はどうしますか?』と。
俺は2番目の応答順だった。
1人目が、
『会社の意向であるなら、その辞令に従います』と。
次の俺は
『私も、辞令に従い与えられた職務を、しっかりとこなしたいと思います』と前に習いながら、少しアピール。以降の3名も似たりよったり。これもこの頃の就活マニュアル的なもので『御社に入りたいので会社の意向にはNOと言いません』という 態度=心構え を見せる。というものに沿った回答だった。その他色々と質疑応答続いて小一時間ほどだったかな、面接終了。結果的に、こちらのCM制作会社も、その後の御縁が無かったのですが、その日の帰りの電車から、ずーーーーッとモヤモヤと引っかかっていたんだよね。
今になっても正解がわからないのだけど、この時
『自分は制作の現場希望なので、会社の意向とそぐわない場合は、辞することも考えるかもしれません』とか
『何年とか期限付きの場合は、そのまま受け入れたいと思いますが、ずっととなると考えてしまいます』とか
この会社で、現場で、CM制作をしたいんですっていうアピールをしていたら、どうだったのだろう?ってね。CM制作会社、しかも当時の業界的には、ちょっと奇抜というか、尖ったというか、普通ではキャッチーでは無い。というのが業界的な世界観だったと思う。その中で、普通の就活の質疑応答をしていたのでは『ウチの会社で欲しい人材ではない』となったのでは?と思っちゃって・・・後悔というか、そう応えていたら、違う人生になっていたかもなぁってね。
人生の中で、その時の行動によって、以後の進む道が変わる瞬間ってあるじゃない。なんか、この時の面接、その受け答えが、そんな人生のターニングポイントだったんじゃないか? なんてね。結局答えのわからない事だし、今の人生は無茶苦茶楽しいので、後悔とかはないけど、違う人生の世界線は興味あったかなって話です。
というわけで
だいぶ話それてますが、今回はここまで。
次回はもうバイトですらない話で
もう一回番外編やりますね
「就活話が止まらないので 番外編」お楽しみに。
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