『千夜千字物語』その32~偶然
マイコが大学の帰りに友達とカフェでお茶をしていると、
どこかで見たことのある人が店に入ってきた。
初めは思い出せなかったのだが、
後から数名の外国人が合流したところである人を思い出した。
ただこんなところにいるはずもなく、
他人の空似だろうとまた友達との話に興じた。
家に帰ると玄関に見知らぬ靴があった。
リビングに入ると、
そこにいたのはカフェで見た男性だった。
マイコが驚いていて母親にカフェでの出来事を話すと、
母親は少し安心したようにその男性を紹介した。
「友達の息子さ