本の海を空にする大作戦④
こんにちは。
此島このもです。
「本の海を空(から)にする大作戦」とは、200冊を超える未読本および手放そうかどうしようか迷う本を少しずつ仕分けていく作戦です。
今回は4冊の仕分けがすすみましたのでご報告です。
前回↓
15冊目『今日のビタミン』
食べ物エッセイ集。
好き。どうしてだろう。エッセイで読むと、普段嫌いな食べ物もとても良いものに感じられる。
もしかして価値観が変わったかもと思って手に取ったけれどやっぱり好きなので取っておく6冊目。
16冊目『回転ドアは、順番に』
2人の歌人が交互に歌を詠み、恋人たちのストーリーを展開していく本。短歌と短い詩だけで描かれているので想像力がはたらく余地がある。だからすごくジーンときた。この本はいつか私が夫を失ったときに心の助けになってくれるんじゃないか、そんな予感があるので取っておく7冊目。
17冊目『リーダーのコミュニケーションの教科書』
タイトルにリーダーのって入ってるけど、上司とか部下とか関係なくコミュニケーションの教科書としてためになる本。共感していることが相手に伝わる相槌は?とか称賛するときの言い方とか色々書いてある。また読みたいから取っておく8冊目。
18冊目『レターズ・フロム・ヘヴン』
荒井良二の絵がまぶしい。天国のおばあちゃんと文通して成長していく孫娘の話。
おばあちゃんの最初の手紙からぴかぴかの愛情が溢れ出ていて、いかに主人公が愛されていたのか伝わってくる。
突然だけど、中島みゆきの歌詞に「生まれてくれてウェルカム」というフレーズがある。私はずっとふーんくらいの軽い気持ちで聞いていた。でも、先日私の弟が我が子(幼児)に対して愛情たっぷりに「どした?楽しいの?ん?😚」って言う声色を聞いて、「あ、これが生まれてくれてウェルカムか」と思ったんだよね。すとんと腑に落ちた。
私の知る弟は、姉である私に対して隙だらけの甘ったるいデレデレ声を晒したりしない男だった(隙というのもおかしいが、多分本人は隙だと思っていたんじゃないか)。けれどそんなのどうでもよくなっちゃうくらい子供が大好きで大切なのが声から伝わってきた。弟は我が子に対して「生まれてくれてウェルカム」と思ってる。そこには愛しかない。隙を見せたくない相手であるはずの姉に、デレデレ声を晒すのなんかどうでも良くなっちゃうくらい、愛しかないのだ。
多くの人は、生きていると孤独感に苛まれたり自分は無価値だと感じて苦しくなったりするものだと思う。弟の子もいずれ人生に迷い孤独に苦しむだろう。そんなとき、このデレデレな父親の声を聞かせてあげたいと思った。人生の苦悩も生活の苦痛も知らずただ笑って踊る幼児に向けられた「生まれてくれてウェルカム」な声。ただただ存在を祝福する声。そんな声をもらえる時代が自分にもあったんだ、生きているだけで価値を感じてくれる人がいたんだ。弟の子がどう思うかはわからないけれど、私ならすごく嬉しいし救いに思う。
この本ではおばあちゃんが手紙という目に見える形で「生まれてくれてウェルカム」な気持ちを残してくれている。「生まれてくれてウェルカム」を成長した本人にも伝わるように残しておく人ってあんまりいないんじゃないだろうか(少なくとも私は親からウェルカムを残してもらった記憶がない)。
きっと私は、この本を読むたびにぴかぴかな愛情を分けてもらった気持ちになれるだろう。だからこの本は取っておく9冊目。
今回は以上です。
お付き合い頂きありがとうございました😊
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