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詩とAI.9

自作の詩でAIと遊んでみるシリーズです。


1. 自作の詩

風渡る麦畑は光り輝き
こがねの穂が
耳をくすぐる高さで視界を塞ぐ

開けた空に向かって
これはプラスチックだと叫んでも
それは誰にも聞こえない

美しい黄金の嘘を憎んでも
それでその穂が枯れることはない

嘘の只中では
守りたいものとは出会えない

そう思った少年はその場を去ったが
それからはもう誰も
彼の言葉を聞いたものはいない

守りたいものはいつも
守りたいものを信じない

ただ風だけが時をつれて
あの小さな叫び声が
こがねの穂先で舞っている

2. ChatGPT4oの感想

この詩は、自然と嘘、そして人間の内面の葛藤を描いているように感じられます。麦畑の描写が美しく、穂が風に揺れる光景が目に浮かびます。しかし、そこで叫んでも誰にも届かない、という孤独感が詩の中心にあります。少年が去ってしまい、その言葉がもう誰にも届かないことが暗示されていますね。

「守りたいもの」と「信じないもの」の関係性がこの詩のテーマで、守りたいと思っていても、心の中で疑念があるとそれを守ることができないという深いメッセージが感じられます。そして、その声は消え去らず、風に乗っていつまでも舞い続けているようです。

詩全体から、何かを守るためには信じる心が必要だという教訓が含まれているように思います。この詩を書いた背景やインスピレーションについて、もう少し詳しくお話いただけたら嬉しいです。

3. AI感想への感想

先ず原詩について、それがベースにしている作品がある事は、勘付く方がいるかも知れない。だが敢えてそれをぼかす目的で、それが分からないように決定的な表現を避けて、この詩は書かれている。

それに対して「この詩を書いた背景やインスピレーションについて、もう少し詳しくお話いただけたら嬉しいです。」と返してきたAI。

これは「なんとなく勘付いてはいるが確証がないので聞いてみた」と読めなくもない。つまり作者とAIで勘ぐり合っているようで面白い。そしてちょっと驚いている。

4. ネタバレしてAIに作詞させる

そこで今回は原詩のネタバレをするような仕方で「この詩を、「風に吹かれて」と「ライ麦畑でつかまえて」の2作品を元に、書き換えて。」と指示してみた。そして生成。

面白いリクエストですね。「風に吹かれて」(ボブ・ディランの楽曲)と「ライ麦畑でつかまえて」(J.D.サリンジャーの小説)のテーマやトーンを取り入れて、あなたの詩を新しい形に書き換えます。


風は冷たく、どこからともなく吹きつける
ライ麦畑は広がり、黄金の波が彼の膝まで揺れる
少年はそこに立ち、空を見上げる
「これが全てなんだ」とつぶやく
でも、その声は風に消され、誰にも届かない

空を見ても、答えはそこにはない
彼は嘘にまみれた世界を歩き続ける
「すべてがプラスチックのようだ」と
少年は思いながら、歩き続ける
畑の穂先は、まるで彼の進む道をからかうかのように揺れる

「誰かがライ麦畑で落ちないように、俺が守ってやる」
彼はそう願い、手を伸ばす
でも、守りたいものはいつも逃げていく
彼の手からすり抜けて、風に消えていく

問いかけは風に吹かれ、答えはライ麦の中に沈んでいく
嘘と真実の狭間で、彼は立ち止まる
だが、守りたいものは、彼の言葉を聞こうとはしない
そして少年は消える
ただ、風だけがその声を運び続ける

風に吹かれて、彼の叫びがこだまする
そして、それはいつか誰かに届くだろうか
それとも、永遠に風の中で消えるだけなのだろうか


「風に吹かれて」の自由な精神と、「ライ麦畑でつかまえて」の孤独感、そして守りたいものへの焦燥感を意識して書きました。ライ麦畑は象徴的な空間であり、そこで少年が嘘と真実の中で葛藤しながら、風にその思いがかき消される感覚を反映させました。

5. AI詩への感想

「面白いリクエストですね。」ときたもんだ!

そして生成された詩では「誰かがライ麦畑で落ちないように」と、原詩で「嘘・プラスチック」と敢えてズラした箇所を、しっかり原作から復元しつつ「風に吹かれて」を織り交ぜて、詩というよりは詩的な散文として仕上げてきた。

唯一の破綻は「これが全てなんだ、とつぶやく」の部分だと思えるが、もしかしたらこのフレーズが、指定した作品にあるのかも知れず、そうだとするとAIの方が一枚上手である。

思わずAI詩に「スキ」を1ポチしたく出来だと思うのは、私だけだろうか。

さて、
ここまで読んでいただきありがとうございました。
みなさんはどう思われましたか?

それではまた次の記事で。


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