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十牛図(十):5.牧牛/ぼくぎゅう(前編)
割引あり
前の記事のおさらい
先の記事〈十牛図(八・九):4.得牛〉では、十牛図の第四段階「得牛」について見ました。
「得牛」は物事を見る視点が仏様側に寄り、それにより自分の心内にある煩悩が煩悩と見えるようになり、修正を開始する段階でありました。
その修正の様子は、本当の自分を探す旅に出た人が、縄で捕らえた牛と格闘する絵として描写されていました。絵で表現されているように、煩悩は修正しようとしてもなかなかいうことをききません。したがって、初期段階では特に、力技で「えい!」と煩悩を断ち切るということが必要、ということでありました。
牧牛「図」
今回は「得牛」に続く「牧牛」の内容を見て参ります。まずは図から内容を想像してみましょう。
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得牛の時とは違って人が主導権を握っていて、牛もいうことをきいているようです。もしかしたら、綱を引っ張られると痛いので渋々いうことをきくことにしたのかもしれません。
さて、この段階にはどのような課題と向き合うことになるのでしょうか。まずは慈遠禅師の解説から読んでいくことに致しましょう。
慈遠禅師による解説、廓庵師遠禅師による漢詩、石鼓夷和尚の和韻が記載されたPDFファイルは下記よりダウンロードいただけます。
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