落合陽一「未知への追憶」をビジネス目線でレビューしてみた。
※noteみたいな長文なんて久々に書くのでリハビリ程度のモノです
あくまで私は芸術的有識者ではなく、アートが好きなビジネスマン個人としての意見を書く。
今回僕が参加したのは渋谷でやってる落合陽一の「未知への追憶」
(好評により開催期間が伸びてるらしい)
前置きはこのくらいで、
タイトルにある優位性を構成する3要素はこちら
•順路インフラのUX
•お客レンジの広さ
•ファン化を促す物理的工夫
1つずつ紹介しよう。
•順路インフラのUX
そもそもこの個展、立地が良すぎるのだ。
山手線渋谷駅から10分くらいで辿り着く
普段から個展や展示会に足を運ぶ人なら分かると思うけれど、これほど首都圏のいい立地で開かれている個展なんてほとんどない。もっとハコのコスパが良さそうなところであったり、普段行かないような郊外で開かれていたりする。
もちろん落合陽一だからこその陣取りではあるけど、渋谷モディは個展とは本来関係のない人もショッピングやタピオカを飲みに足を運んでいるので、偶発的に知った人もいただろう。結果的に消費者に歩み寄ったカタチになっている。
あと、ここでは表しづらいけど順路も1通りしかなくてストレスフリーだった。これもあるあるで、いろんな方向に道が別れている展示会も珍しくはない。こういった点も来た人にとって嬉しい点だろう。(減点対象がない、という表現のほうが適切だが)
•お客レンジの広さ
(商品やサービスを購買するお客のマーケットの広さをお客レンジと呼んでいます)
「さぞかし落合陽一に惹かれるような意識高い学生群ばかりなのか!?」と思いきや、そんなこともなかった。
僕が観測する限りは年齢も性別も幅広かった。
お客レンジが広いと、また新しい人が同じ世界に入ってきやすい。 これは逆にお客レンジが狭い状態を考えてもらえばわかるだろう。
小難しいアートの有識者みたいな人ばっかり集まるような展示会に、ふらっと足を運べる新参者がどれだけいるだろうか???
(持続可能なアート的スポットを作る上で、お客レンジの広さは無視できない。新陳代謝はどこの業界にも必須の生命活動なのだ。)
では、なぜお客レンジが広いのかという話をする前に、実際に現地に配置されている作品を見てみよう。
画像だと分かりにくいが、上の写真の色んな時計は順々に光が出て、下の画像にある壁にそれぞれの時間が投影されていく。
これは、金属のテーブルの上を鉄球が浮遊しながら回っている。
光が出てないのに、蝶々が投影されてる!すげぇ!ってやつ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
僕が今あげたものは全て、直感的に分かるコンテンツだ。
前提知識がまるでなくても、初心者でも、感動を味わえるし印象に残るコンテンツ。タピオカを買うついでにこの個展を見つけて立ち寄った人にとっても楽しめる作品の数々がある。
そして、
作品のキャプションを中心に、アカデミックな読み応えのある文章がボリューム満点に配置されている。先程僕があげた"直感的にすげぇ!"ってなる展示物の仕組みもきちんと原理や意味が解説されている。
通や有識者を飽きさせない工夫もあるのだ。
•ファン化を促す物理的工夫
もし1回の個展の満足度が高くとも、次回もリピートしたり
作者のことを覚えているかというとそれは別問題。実際、
展示物やその空間という単品と、それを作っている人を結びつけるにはそれなりの情報量が必要だ。
しかし、今回の個展にはそんな工夫も施されていた
それがこちら
順路を辿っていくと落合陽一の関わっている雑誌やモノを見つけることができる。サブリミナル的に展示会の主催者を認知する
この画像の右下にあるQRを読み込むと、Youtubeページに飛び、落合陽一本人の個展解説用の副音声が流れるのだ!
SNSにシェアするとステッカーがもらえたり、グッズ販売も他の個展と比較しても充実していた
これらはファンを喜ばせたり、展示会を記憶に残らせるには十分な役割を持っているだろう。
(自分もクリアファイルを購入)
というわけで
•順路インフラのUX
•お客レンジの広さ
•ファン化を促す物理的工夫
この3点において落合陽一さんの「未知への追憶」展は他の展示会よりも優れていると感じた。(そしてそれは本人がビジネスマン的側面をもっている、または様々な分野を行き来できる越境者である故なのかもしれない。)
上でも書いたことに近いが、もし有識者がみたら何かおかしかったり、ツッコミたくなるような部分があるかもしれない。が、それは僕には分からない。あくまで僕が書いたのはこの個展に足を運んだ顧客目線での美点だということを了承していただきたい。
以上、リハビリのつもりで書いていったら長文になったが、
もし少しでも有意義なものであったならば、いいね、シェア等していただけると、次の文章を書くエネルギーになる、、、
では。